POKKA吉田氏特別寄稿 「スマスロ登場前夜にて」

 
みなさま、POKKA吉田ことオカザキです。半年近くでしょうか、お久しぶりです。石川忍さんの友人枠として、今回もお目汚しです。お暇なときにでもご覧くださいませ。
 
さて、メダルレスという言葉が廃れたようなくらいにスマートパチスロという言葉がこの3か月ほど業界を席巻していると言ってもいい。
11月21日以降の導入に向けて、遊技機はもちろんユニットやサーバ、工事の人員などの争奪戦が激化したのが9月。
既に10月半ばを迎えるというこの時期だから、多くの店にとっては計画立案は終わっており、導入可否や見送り等も含めて結論が出ているような状況かと思う。
 
随分古い話であるが、今から20数年も前の時代は、新台入替ですら初日には関係者が遊技もしないのに立ち合いしているというのがホール現場の実態だった。
メーカーや業者の営業マンはもちろん、当該店が重要な店舗ならメーカーや業者の偉いさんまで登場し、背広姿の壮年の方々が開店時に島の外くらいに並んでいる。

LTV 9月号

9月のLTVを眺めますと…

パチンコに関しては上位の貢献度が高い点は相変わらずですが、

8月期導入機種である、サラりーマン金太郎、ゴジラ、GANTZ3のLTVポイントの前月比下降幅が

大きい点が目に付きます。

その中にあって、前月比でポイントを押し上げてきているのが真北斗無双、バキ319、大海4SPSCAの3機種となっています。

回胴ではマイジャグラーV、ファンキージャグラー、アラジンクラシックと、6.5号機のTOP4が前月以上のLTVポイントとなっています。

2022年9月末時点での各メーカー設置シェア率(市場占有率)

スマート遊技機導入が視野に入ってきた2022年9月末時点での

各メーカーの現市場における設置シェア率(占有率)をまとめてみました。

日々の営業に直接的に関わる資料ではありませんがご参考まで。


月刊シークエンス9月号 入稿記事

秋の気配もボツボツと感じられる今日この頃ではありますが、ゲリラ豪雨や大雨の災害を目の当たりにすると
子供の頃とは様変わりした日本の気候に少々困惑している石川です。

さて、6.5号機の設置状況はこの原稿を書いている8月末時点で10型式を超え、一先ずここまでの高稼働状況に胸を撫で下ろしつつ、
それでもまだ総設置台数の5%程度という現状を考えてしまうと先行きの不安も感じております。

11月に稼働開始と喧伝されるスマートスロットの登場までにおよそ10万台の6.5号機がスタンバイしてはいるのですが
導入に関して大手法人を中心とした60%程度の(ここまで機歴を積み重ねてきた)アクティブなホールへこのまま偏った導入状況で進んで行くとなると、
厳しい状況の続く40%のホールとの差がますます開く事になるのだろうなと。

御馴染の大規模データを整理してみますと、回胴196型式に対し6.5号機10型式+ジャグラー3型式の13機種だけで、
売上の構成比率は約47%、OUTの構成比率は約50%、粗利の構成比率も約50%を占めているわけでして、
総OUTに関しても6.5号機導入開始前と比較すると約118%となり、翻れば未導入店舗の苦闘が窺い知れるデータとなっています。

「スマスロ登場前夜に思う」

L型式(いわゆるスマスロ)の納品開始日が11月21日からに決まりました。

初荷は大都、オリンピア、三共、山佐の4タイトルから新しい時代へ向かって行く事になります。

この4型式で6万台~7万台。後続メーカーが順次適合すれば、2023年初頭までに10万台程度はスマスロが設置・稼働すると見込まれています。

当初の来年3月までに15万台~20万台という目標は順調に推移しているといったところでしょうか。

遊技機性能としての大きなポイントは6.5号機から有利区間の概念が取り払われた点ですが、
これに関していえば、6.5号機でも有利区間が切れたところからCZで繋ぐ事で現在の出玉性能を具現化している事を見れば
6.5号機もスマスロと遜色の無い機械性能と言いたいところ。

ではあるのですが、やはりスマスロの革新的な部分といえるホッパー非搭載によるOUT性能の向上により、
仮に同一の仕様であった場合、当然、OUT性能の高い方が売上は上昇するわけで、この点では従来の回胴機は及びません。

このスマスロ導入に際し、昨今の半導体、部材不足から、周辺設備が間にあうのか?と懸念されていたわけですが、
逆に、機械の方が足りないという事になっているのが現状。

市場構造の変化とパワーゲーム

2020年と2021年ともに売上規模と粗利規模の変化はありませんでした。

しかしパチンコとパチスロの売上・粗利構造には変化が出ています。

それはパチスロの6号機への入替からきているものです。

ダイコク電機の発表によれば、2020年と2021年の業界売上は約14.6兆円。

2020年のパチンコ売上が約49%、パチスロ売上が約51%です。

2021年のパチンコ売上が約56%、パチスロ売上が約44%です。

つまり、約7%の売上がパチンコからパチスロに移動したということになります。

これは5号機から6号機への変更による離反が、パチンコのハイミドルに移動したわけです。

ということは、これから6.5号機によってパチスロへの流れが起きると予想されます。

その先にはスマートパチスロが待っているのですから、パチンコとパチスロ比率は

2019年の構成比率までもどる可能性があるといっても言い過ぎにならないかもしれません。

そこで起きるのが、遊技機の素早い入替とヒット機種の取り揃えであることは分かります。

つまり、パワーゲームになることを避けられないのが現実ということです。

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