月刊シークエンス9月号 入稿記事

秋の気配もボツボツと感じられる今日この頃ではありますが、ゲリラ豪雨や大雨の災害を目の当たりにすると
子供の頃とは様変わりした日本の気候に少々困惑している石川です。

さて、6.5号機の設置状況はこの原稿を書いている8月末時点で10型式を超え、一先ずここまでの高稼働状況に胸を撫で下ろしつつ、
それでもまだ総設置台数の5%程度という現状を考えてしまうと先行きの不安も感じております。

11月に稼働開始と喧伝されるスマートスロットの登場までにおよそ10万台の6.5号機がスタンバイしてはいるのですが
導入に関して大手法人を中心とした60%程度の(ここまで機歴を積み重ねてきた)アクティブなホールへこのまま偏った導入状況で進んで行くとなると、
厳しい状況の続く40%のホールとの差がますます開く事になるのだろうなと。

御馴染の大規模データを整理してみますと、回胴196型式に対し6.5号機10型式+ジャグラー3型式の13機種だけで、
売上の構成比率は約47%、OUTの構成比率は約50%、粗利の構成比率も約50%を占めているわけでして、
総OUTに関しても6.5号機導入開始前と比較すると約118%となり、翻れば未導入店舗の苦闘が窺い知れるデータとなっています。

では、アクティブに動き辛い40%のホールではどういった対応が求められるのか?について本稿では考えてみたいと思います。

「6.5号機を積極的に買えばいいじゃん」「買いたくても買えない」って単純なお話では無く、予算をなんとか捻出しても希望台数を
売ってもらえないという市場環境も踏まえた場合、喫緊の課題としては現状設置機種の認定問題が浮上してきます。

闇雲に検定期間の迫った順に認定申請してしまいますと、前回の稿でも書きましたがただでさえ入替回転率が落ちている状況にあって、
ますます設置遊技機(商品)の活性化(鮮度)が滞る事になりかねません。

弊社では遊技機のライフタイムヴァリュー(市場における各機種の貢献度)を数値化した資料を提供しておりますが、
認定申請費用と中古機相場を秤にかけつつ、回胴だけでは無くパチンコ機についても、稼働状況、玉単価、玉粗利等々
どの数値に着目して自店にとって島内に必要な機械かを厳選して認定申請して頂きたいと思う次第。
商品の鮮度を保つのもお客様への還元、サービスの一つと考えております。

ただし、気をつけて頂きたいのが、昨今の重量出玉系仕様の機種や超速出玉系仕様の機種を少台数導入した場合。

1撃で1日の店利を食いつくされる可能性を念頭に運用してしまいますと非常に遊技者側に対して厳しい商品提供となり、
結果、増客趣旨の導入が離反誘因となり導入した意味の無い事になりがちに。

自店にいまナニが必要なのかで機種選定する事が、特に小規模ホールの運営には重要な遊技機世代になっているのではなかろうかなと。

そんな中でも全てのホールが必ず認定申請するであろうと思われるのがジャグラーシリーズ。

6.5号機設置開始以前では、ジャグラー3型式におけるOUT構成比率は約35%、売上構成比率は約28%、
粗利構成比率は約27%を占めていた機械ですから当然ですよね。

ただ、近年ではひと昔前のジャグラーの使い方、使われ方とは違い、
旧基準機撤去後はスロットコーナーの稼働はもとより利益の柱として運用されていたのが正直なところではないでしょうか。

況や6.5号機にアクティブなホールでは年末へ向けて6.5号機をアピールしつつジャグラーの再育成へシフトする絶好の機会に。
両者を中心軸にバランス良く運用して行く事で好循環を作り出せる。逆に、アクティブに動ききれていないホールの場合、
ジャグラーを営業の軸にした運営が続くわけでして、となると、脇を固めるその他の機種群でいかにジャグラー島を支え離反を防ぐのかという事が求められます。

この点においても、自店にいまナニが必要なのかという視点で島を構成していきたいところです。

設置機種を選んでホールへ足を運ぶユーザーが多くなってきていると言う事は、自店の設置機種で来店して欲しいユーザーを選べる時代に
なっていると言う事をお伝えして本稿は了とさせて頂きます。