2021/11/17

業績の維持

間もなく、遊技機の入替にともない、多額の資金が必要になります。

この資金は、経費なのか、投資なのか、どちらなのでしょうか。

『営業を継続する為には必要』という意味では、経費です。

『お客様に楽しんでもらう為に必要』という意味では、投資です。

今回の遊技機を入れ替える目的が、
射幸性を下げることによる健全性の担保だとしたら、

入替により売上が下がることになるので、
店舗側からしたら経費ということになります。

国の方針に従い設備投資をする訳ですので、複
数年においての猶予があるのは当然です。

つまり毎年の入替による自然な流れを想定する訳ですが、そうはなりません。

なぜなら、入替により売上が下がるからです。

そこでいっきに入替となり、バタバタするのは当然で、誰が考えてもそうなります。

早期に入替するメリットが無いのに、どうしてこれまでのメリットを捨てるのか、

それを善意だとか、強制だとか、道徳だとか、長期経営視点だとか言っても、
無理筋なのは見えていることです。

最後まで入替ない『残存利得』が大きければ、
選択の判断がこちらに片寄るのが普通ではないでしょうか。

『大義名分では飯は食えない』と言った経営者がいましたが、
まさにその通りかもしれません。

人は未来より、現状に価値を見出すものであり、利益より損失に意識が向く、
ということが分かっているのですから。(行動経済学)

ならば負の過大な設備投資をどうするのか?

出るを制するという言葉があるとおり、出て行く費用を押さえることは経営の基本です。

なぜなら、入る(売上)は水ものだからです。

商売は水ものとは『先の見通しが立ちにくく、世間の嗜好や人気に大きく左右され、
収入が不安定である』というような意味に使われます。

しかし経費は比較的コントロールし易いものだといえます。

しかしそれが、費用であるのか、投資であるのか、これを見分けなければなりません。

一律にコストカットすれば目先の利益は出るでしょう。

けれども徐々に体力は失われてしまいます。

大切なことは、その費用による効果を測定することです。

これを費用対効果と言いますが、これが簡単そうで難しい訳です。

例えばトイレにウォシュレットを設備した場合、
それに対する費用対効果をどのように測りますか?

今回の設備投資におけるリターンが見込めないならば、
できる限り押さえるという判断が適切ではないでしょうか。

だってその後にはまた、膨大な設備投資が待ち構えているのですから。

業績の維持は、売上ではなく、継続して出す利益だからです。

目先の集客や稼働は大切ですが、生き残り続けることはもっと大切です。

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