アンカリング(英: Anchoring)とは、認知バイアスの一種であり、判断する際に特定の特徴や情報の断片をあまりにも重視する傾向を意味する。
係留または英: Focalism(焦点化)とも。
個人の通常の意思決定においては、まず特定の情報や値に過度に注目し、その後状況における他の要素を考慮して調整する。
一般にこのような意思決定には、最初に注目した値についてのバイアスが存在する。
例えば、中古車を買おうと探している人がいるとする。
彼は走行距離と年式に注目し、それを中古車選びの判断基準にしていて、エンジンやトランスミッションの保守状況の良否をあまり考慮しない。
これがアンカリングである。
【出典:ウィキペディア】
実はこのアンカリング、人を騙すのにとても便利なんです(笑)。
もともとは船の碇という意味で、その碇の方向に判断が引きずられる効果のことです。
つまり、人の心理にアンカーを打ち込めば、自在に印象をコントロールできることを意味しています。
皆さんも知らず知らずにこのアンカリング効果を使われています。
そう、新台を入り口の一番目立つ場所に設置しませんか?
お客様が店舗に入って来られた最初の印象『ファーストインプレッション』こそがアンカーなのです。
人は顕在意識(意識した判断)で行動しているように思っていますが、実は行動のほとんどが潜在意識(無意識の判断)なのです。
顕在意識にアプローチしても、人は簡単に行動してはくれません。
ところが潜在意識にアプローチした場合、驚くほど簡単に行動してくれるのです。
最初に接触した景観の印象が強くなることを『初頭効果』と呼びます。
なぜか店舗全体では玉が出ている印象がなくても、粘れば出るかもしれないという、印象操作がおこなわれてしまうのです。
つまり、アンカリングによる『記憶の書き換え』が行なわれることを意味します。
この場合の記憶とは短期記憶であるため、その直前の記憶はどんどん忘れ去られているのです。
エビングハウスの忘却曲線によれば、20分後には42%を忘れます。
しかしアンカーがしっかりしていれば、その忘れた記憶がアンカーに強く影響されてしまうということなのです。
このエビングハウスの忘却曲線は、意味のないものにたいしての忘却率です。
こころに残る意味付けをしてあげれば、アンカーによる記憶操作が可能となるのです。
『初頭効果』の反対語になるのは、『親近効果』で、一番最後が記憶に残りやすいというものです。
これは、お客様が賞品との交換をする場所をコントロールすべきだということを意味します。
遊技機の配置やレイアウトには、とても重要な意味があります。
計数だけではなく、心理面を計画に加えてください。
人は感情の動物なのです。
マーケティングとはある意味、顧客の心象操作だともいえるのです。