月間シークエンス4月号 【業界羅針盤 】より

「3月期の振り返り」

春の足音がだんだん大きくなってきているのを感じる今日この頃、三寒四温とはよく言ったものですが体調には皆さまお気を付け下さいませ。

さて、本稿では3月期の振り返りをしてみたいと思います。

当月の注目と言えば言わずもがなのラッキートリガー搭載機(以下LT機)が稼働開始となった件。

3月初週から7機種が一斉に運用されたわけですが、メーカーさんの販売計画達成は1機種のみで残りの6機種は思惑通りとならず、
その販売計画を達成したP北斗の拳強敵SSPAでも導入率は6割ほどの店舗数。

1軒あたりの導入台数が多かったのはPLT OVERPACHINKO-ME、P緋弾のアリア ~緋緋神降臨~LH搭載FSZが共に3台以上の導入となってはいますが、
スマパチの現在の導入率は、最も設置シェアを持つeぱちんこソードアート・オンラインK12のおよそ55%に対し、
LT機で最も設置シェアを持つオーバーロードは44%ほど。

ここいらあたりの数字を見ますとLT機に対するホール側の受け止め方が現れているのかなと。

とは言え、スマパチ導入開始から4カ月を経てソードアート・オンライン導入後の昨年8月末時点でのスマパチ導入率は
最も設置シェアを持っていたe花の慶次~裂一刀両断DL2-MXの46%。

初期導入率に関して言えばユニットの必要が無いだけにそれなりの導入状況。

そのLT機。蓋を開けてみましたら…初日からアリアのコンプリート報告がSNSを賑わせた事で俄かにザワつき始め、
稼働日数が進んでも大きく稼働割れを起こさない数機種の状況にザワつき、
この影響から2番手グループは間に合わなかった様ですが3番手以降の機種への導入意欲が沸いてきているのは微笑ましいところ。

1/199という区分で数値比較してみますと過去機の2週間日毎稼働推移は海系を筆頭とするA級機種の推移をオーバーロード、アリアは大きく上回り、
1/99という区分では北斗は抜きんでた数値となっているわけですからそりゃぁザワつきます。

導入3週を経過し、情報強者層(イノベーター)や新台大好き層(アーリーアダプター)の離脱と新台ポップがLT機ポップへ変わり日常の店内光景になりつつあるものの、
初動で残こしたインパクトの余韻はまだ消えてはいないと感じております。

懸念材料は「表示当り確率機」の玉単価の高さ。
実質199ですから2.0円近辺程度が本質と思うのですが、表示当り399の持つ爆発力は魅力とは言え中~長期での運用に対して期待できるかはもう少し稼働状況を追う必要がありそうです。

反面、99でのリリースとなった北斗とG1優駿倶楽部は1.7円近辺の玉単価での運用となっており、LT機に対する日工組の当初の目論見通りの結果かなと。

実際、ホールでの遊技者動向やH.Cのデータを見るに、1/99に限ってはこのラッキートリガー機能は革命的と見ております。

従来までのいわゆる‘突破型甘デジ’と同じ様な物と侮るなかれ。
出玉総量以上に夢の量が大きくなったかなと。ラッキートリガーを引けなくても、
また、勝ち経験に結びつかなくとも大きな負け額とならずに大当たりの体感ができるというのは99分母機ならでは。

そこに間違ってラッキートリガーを引けたならまさに僥倖至福。

今後色々なタイプのLT機が登場してくる中で一つ明るい部分を見せて頂きました。

とは言え、当ると太いLT機。少台数設置のホールが多い中、予期せぬコンプリートがチラつくために運用は少々厳しくなっているのかなと。

日毎で追わずLT機全体を一括りとした週単位、半月単位、月単位といった高単価系スマスロ的な運用を心掛けつつ、余裕の無い中でも今後のために育成できればなと。

回胴へ目を向けてみますと、3月期注目はスマスロ初のAタイプ、スマート沖スロドラゴンハナハナ~閃光~が稼働開始!

およそ全国200台の導入と台数的には少々厳しい船出となってはいますが、上がってきているデータはなかなかのもの。

他にもS ガメラ 2 XR、L 南国育ち S3、L キングパルサー SLCC、S /ジャジャマル/HA、L チバリヨ2 ZBと、疑似BB系の稼働開始が目立ったのがこの3月でした。

AT機が2機種のみという少し珍しい月間とは言え月間でパチンコ機14機種-およそ5万台程度に対しパチスロ機10機種-4万台程度の販売台数となっており、
パチスロへの前身気勢が見て取れます。

スマスロ化の流れの中で初見では物怖じするようなAT機ばかりでなく多様な仕様機が登場することで新規遊技層の呼び水になればと楽しみが膨らみます。

メダルに触れず衛生的で、「ネイル」を気にせず遊技できるのがスマート遊技機の最大長所という点をお忘れなく!

P-WOLDに踊る文字にも「スマスロ増台」や「スロットコーナー増設」が昨年末あたりから目立ち始めているわけですが、
パチンコであれば“戦略エヴァ15”、パチスロであれば“戦略VVV”がここ最近のトレンド。

ここに主力とはならないまでもLT機や疑似BB系が加わり、新たな主役へ押忍!番長4と牙狼が名乗りを上げる2024GW戦線。

ここにRe;ゼロの再販分と仕置人の最出陣はあれども新機種スマパチが「色々な思惑」はあるのでしょうがマクロス5の1機種しか無いのは寂しい限り。

そのマクロス5もP/e同時となるわけですから主力とは言い難い。

押忍!サラリーマン番長2が登場した2020年はホール9000軒時代。
導入店舗数はピークでおよそ7000軒。押忍!番長ZERO PC1の登場した2022年はホール7000軒時代。導入店舗数はピークでおよそ6000軒。

最終的にこの2機種は共に4万台越えの販売台数となっているのですが、さて、今回の番長4。初期販売予定台数は2万台。

大都の直近2機種を見ると3500軒~4000軒程度の初期導入実績ですから番長4も1軒あたり5台程度の平均設置台数での船出が予想されます。

となると、主力級の設置台数とは呼べない船出。

牙狼も同様に2万台予定。直近3機種の初期導入店舗数は3千軒弱ですから、こちらも1軒あたり6~7台平均の設置台数が予想されます。

シン・エヴァの1軒平均は10台程度、VVVは7台程度となっているだけに、
GWの運用展開は“脇の固め方”と、“その先の準備”がポイントとなりそうだなぁなどと思いを巡らせつつ、本稿は了とさせて頂きます。