まず、
年明け1月下旬をメドに、日工組 ⇔ ホール団体で調整した上で発表される予定の『撤去遊技機リスト』ですが、撤去するにはコレに代わる遊技機が必要になりますから、当然ですがただちに撤去ということではなく、可及的速やかに優先してホールから姿を消さなければならない機種ということ。
この「優先的に撤去を推進する機種」に代わるのが、来年4月以降、全メーカーから揃って市場投入される(はずの)「安心・安全遊技機」。
しかしながら、現状の中にも保通協適合遊技機でベースの確保ができている遊技機がありますよと。
この12月から納品開始された、海JAPAN、バカボン5、アクエリオンEVOL以降の、いわゆる「プラス10」と呼ばれるBYmin:10を担保する出荷状態の遊技機を中心に『安心・安全遊技機リスト』を1月中頃までにはお知らせしますということでしょう。
ただ、申し訳ないがこの12月から3月までに設置開始される遊技機の中には「安心・安全遊技機リスト」から漏れてしまう遊技機も混在しますのでご了承くださいと。
これがここまでの現状となります。
一つだけ書きくわえるのであれば、「優先的に撤去を推進する機種」がリストアップされた時点で、この遊技機が中古流通するのはおかしな事と受け止めるのが、正式にアナウンスされているわけではありませんが当然と考えます。
また、「優先撤去推進リスト」に掲載される遊技機は、基本的に旧基準MAX『から』となることも容易に想像できます。『くぎ』に関する問題ですから、確率分母がどーたらという以前に『現状設置されている全ての型式』が『違法の可能性を有する』遊技機なのですが、平行して問題視されている高射幸性遊技機と紐付て対応することが、今後業界全体として向かう方向性を明確に打ち出すこととなると考えます。
では、来年4月以降に市場投入される遊技機はどういったものとなるのか?
こっからは少々憶測のお話。
年末からリリースされてきている遊技機の納品時期を見ますと、遊パチ分母への焼き直しでは無く適合した中では、SANSEI/プロジェクトTK、西陣/モンキーターン、SANKYO/宇宙戦艦ヤマト ONLY ONE、EXCITE/テイルズオブデステニー、MIZUHO/グレンラガンが2月納品。他はもっぱら甘デジ・リユースへの焼き直し。
各機種の適合時期を眺めますと、テイルズは随分と温存(?)されたリリースとなりますが、概ね9月~10月あたりのドサクサに紛れて持ち込まれた機械って印象。ここいらあたりが「混在する遊技機」ってことになるんでしょうか。
SANKYO/ガンダム はヤマトの営業開始時点で既に適合していたわけですが、販売戦略上で3月納期。SAMMY/真北斗無双、高尾/美男ですね、大都/3×3eyes も3月納品で挙手。ここいらあたりの機械から保通適合に苦労したくち。真北斗無双は6型式くらいの持ち込みでなんとか適合した機械。
ほぼ回胴と同レベル(笑
藤商事/ヘルプ!!恋が丘学園おたすけ部 は遊パチ分母のみのリリース。この適合は上場企業としては流石だなと思いますが、真北斗無双然り、全体的には非常に適合し辛くなっているのが現状。それもこれも『くぎ問題』の影響になるわけですが、9月時点での日工組シナリオからもこの状況は予想されたこと。
さて、安定適合させるにはBYを担保しようとする仕様となりますから、安易に内規フルMAXの1/319.9-65%継続とはいかず、ヘソ賞球を1個or2個にした、いわゆる強ミドル系にシフトするのか、ゲージ全体への影響を考慮し、ヘソ賞球を4個、5個として継続率を抑えつつ通常BYを担保する仕様へシフトするのか?
ソフトランディングの共通認識は取れているようですからしばらくは現行型式の延長線上での遊技機開発になろうかなと。とはいえ、出玉率試験とゲージの整合性を図りながらとなりますから、『4月には全メーカーから…』とアナウンスがありましたが、実質は回胴と時期を同じく、三重サミットを挟んだ7月からの納品機種が『保通適合時と大きく乖離しない遊技機』ということになりそうです。
いずれにしろ、現行型式遊技機の撤去・回収を推進するには『それに代わる遊技機』が必要であり、その遊技機が安定的に市場供給され、且つ、リユース対応、中古流通が動き出さないことには撤去・回収の強烈な推進とまでは行かないわけです。
では、それまでの経過措置期間の機械は…
まず、最初の衝撃は、既に3万台超の発注が入っている 海物語3R。
海JAPANのSIS上におけるBY数値に関して、三洋は非常にもどかしい思いをしているはずです。
「出荷状態とは乖離している数値になっているのは、ホールが普通入賞口を〆た(調整した)からだ!」と、大声で叫びたいはず(苦笑。
でだ、
海3Rの出荷ゲージデータは既に取らせていただいたのですが、もう、笑っちゃうくらいの入りっぷり。
日工組のシナリオでは、2月以降は『プラス30(BY)』の遊技機を市場投入する努力をしますということでしたが、海3Rの出荷ゲージはまさにソレ。
元来、辛めの仕様ですが、余裕のBYmin/20での出荷になりますから・・・
ワシには海JAPANの報復にさえ思えました(呆
次いで、5万台程度は設置される可能性のある真北斗無双が控えるわけですが、この流れの出荷ゲージなのは明白ですし、既にリアル鬼ごっこ199ver.で「くぎ問題」をクリアしたと思えるくらいの男前なゲージ構成にしてきた高尾も控えます。
24日の団体連名の「宣言」の中に、あまり取沙汰されていませんが4月からの「設置確認と部品交換について」の新しいスキームがあります。
これ、非常に重要な項目でして…
なにかと申しますと、「近い将来、立会いを要する場においては、何らかの方向を用い遊技くぎを含むチェックをします」という点も盛り込まれています。
要するに、設置(点検確認)まではメーカー責任。
実運用に関してはホールの責任であると明確に線引きをしたということです。
なぜワシが、5月から始まった高射幸性と遊技くぎ問題について、この年末まではあくまでも序章であり、本編はここから始まると言い続けてきた理由はここにあります。
ここまでは行政と『くぎを人質に取られたメーカー』のターン。
4月以降は行政と『くぎを人質に取られたホールのターン』がいよいよ始まるってことです。
で、この二つのターンには、先のエントリーで触れた、税調とIR法案を含む国会の動きが予測のできない影響力を持っているということです。
また、遊技くぎ以外にも、それぞれに対しての人質を簡単に用意できることを行政は常に匂わせているのは周知。
とりあえず、ここまでは『課長』ご本人様は登場しないで、『課長補佐』の範疇で動いているのは、救いといえば救いかなと。
とまぁ、長々と取り留めなく書きましたが、本編への改行は、明けて2016年1月14日の日遊協理事会での講和となるか、月末の21世紀会賀詞交換会での行政講話となるか…
注目しつつ、本年最後のエントリーとさせていただきます。
来年は…
おかげさまでまだまだネット環境以外でも必要とされている様子ですし、遊技くぎを含め、正確に板面状況と業界状況を皆様へお伝えしつつ、微力ながら、業界の未来のために尽力していく所存であります。
くぎ問題で疑心暗鬼の中でも、本年も弊社と御付き合い頂きまして誠にありがとうございます。
(有)ノブ
代表 石川 忍(新宿の熊)