健全化推進機構と警察庁の間で進められているお話ですので、正しい情報がなか
なか出てこないものですから、情報も錯綜気味ですし、ワシも含め、こと「く
ぎ」のお話なものですから、感情論や憶測も話に加わってしまうのは致し方ない
か(苦笑。
では、ここまでの流れを正確な情報に基づき、時系列でまとめてみたいと思います。
4月28日
警察庁生活安全局保安課長 名で、遊技産業健全化推進機構 代表理事宛に
「立入検査時におけるチェック内容の追加検討について」という【要請】の通達
が発行されました。(警察庁保発第98号)
内容は「遊技くぎを曲げるなどして検定や認定を受けた遊技機と異なる遊技性能
を創出することについては、悪質な不正改造事案であるのは御承知のとおりです
が、依然として同種事案の発生に歯止めがかからない状況にあります。
ついては、上記の状況を改善すべく、貴職の立入検査において、遊技くぎに変更
が加えられた疑いのある事案についても遊技機の不正改造の疑いのある事案と捉
え、新たに遊技くぎをチェック内容の一つとして加えることを検討していただき
たいと思います。」というものでした。
この【要請】に対し、健全化推進機構(以下、機構)から、5月14日、
「遊技機性能調査の実施について(御要請への対応)」の文章で警察庁に対し回
答しました。
内容は「5月13日開催の当機構定例理事会において協議の結果、市場に設置し
てあるぱちんこ遊技機の「遊技くぎ」の状態が、検定や認定を受けた状態と著し
く違うことについては、ぱちんこ営業所において不正改造行為がなされていると
しか言えず、当機構として可能な限り是正に向けた取組みを展開すべきである、
との結論に達しましたので、その取組み内容を以下にご報告させて頂きます。」
検査手法は
「実際にぱちんこ遊技機を一定時間試打し、そのデータを収集することで「遊技
くぎ」が異常な状態にあるか否かの確認を行う」
判断基準は
「一般財団法人 保安通信協会の試験で適合を受け、各都道府県の公安委員会か
ら検定を受けたぱちんこ遊技機の「遊技くぎ」の状態が正規な状態であり、その
状態が著しく変更されていた場合などは「不正改造されている」と判断したいと
考えている」
「具体的な「遊技くぎ」の注視する点としては、本年年頭の講和内容から判断し
ます。
講和内容は
「平成23年から同25年の3年間に無承認変更の行政処分が22件発生し、そ
のほとんどが遊技盤面下部の左右に存する一般入賞口付近の遊技くぎを狭めてい
るか、大当たり抽選が作動する中央入賞口のくぎを調整し、大当たり抽選の入賞
に偏らせるなど、営業者の身勝手な都合により遊技性能を改造していることが疑
われるものである」
というもの。
機構の見解
「ぱちんこ遊技機の「一般入賞口」は、保通協の型式試験時には、持ちこまれた
ほとんどのぱちんこ遊技機がある程度のベースを維持していると伺っております
ので、この状態を正規遊技機の基準として捉え、遊技機性能調査を実施」
「なお、ぱちんこ遊技機の「遊技くぎ」の問題が業界内で周知徹底されるには若
干の猶予期間が必要であると思っております。
当機構と致しましても、御指摘された「遊技くぎ」の問題を注意喚起する予定
ですが、あわせて当機構検査部が遊技機性能調査を開始した後も、半年間程度は
猶予期間として捉え、例え遊技機性能調査で異常が確認されたとしても、各都道
府県警察への通報は控えさせて頂こうと考えております。もちろん猶予期間で
あっても、あまりに悪質な場合等は個別に御相談させて頂く予定であります。」
この機構からの回答に対し5月15日、各業界団体に対し警察庁から通達が出ま
した。
以下、ホール5団体+日工組+日電協への通達文章全文です。
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警察庁 丁 保発 第105号
平成27年5月15日
警察庁生活安全課(印)
遊技機の不正改造の絶無に向けた更なる取組について(要請)
平素は、ぱちんこ営業の健全化に深い御理解と御協力を賜り、厚く御礼申し上げ
ます。
さて、遊技くぎを曲げるなどして検定や認定を受けた遊技機と異なる遊技性能を
創出することについては、悪質な不正改造事案であるのは御承知のとおりです
が、依然として同種事案の発生に歯止めがかからない状況にあります。
特に、現在ぱちんこ遊技機市場の大半を占めるデジパチについては、大当たり
抽選が作動する中央始動口のみを入賞させるよう、両脇その他の一般入賞口に玉
が入らない仕様に改造するくぎ曲げ行為が懸念される状況にあります。
貴団体におかれましては、遊技機の不正改造の絶無に向けた取組を業界を挙げて
推進しているところであり、一般社団法人遊技産業健全化推進機構(以下「機
構」)の立入検査活動についても御理解をいただいていると承知しております。
今般、上記の状況を改善すべく、当課から機構に対し、機構の立入検査におい
て、遊技くぎに変更が加えられた疑いのある事案についても遊技機の不正改造の
疑いのある事案と捉え、新たに遊技くぎをチェック内容の一つとして加えること
の検討を要請しましたところ、機構から、新たに遊技機性能調査を実施する旨の
回答をいただいております。
ついては、貴団体のおかれても、不正改造の絶無に向けた取組の趣旨を踏ま
え、新たな機構の取組に賛同していただくとともに、引き続き、機構の立入調査
活動に御理解、御協力を賜りますようお願いいたします。
なお、当課から機構に対し要請した趣旨としましては、遊技釘に関する不正改
造に対する業界の自浄作用を促すためであることから、機構の取組の開始から半
年程度の期間においては、遊技くぎに関する不正改造の疑いがある場合の警察へ
の通報を原則行わないようお願いしております。
ぱちんこ業界における不正改造の絶無に向けた取組を一層強力に推進していた
だきますよう御協力お願いいたします。
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問題の【検査項目】
① 打ち出した遊技球の個数
② 「中央入賞口」(へそ)に入賞した個数及び割合
③ 「電チュー」に入賞した個数及び割合
④ 「一般入賞口」に入賞した個数及び割合
⑤ 総回転数(表示図柄が回転した回数)
⑥ 大当たり回数(総大当たり回数)
⑦ 大当たり回数のうち確率変動図柄による大当たり回数
⑧ 大当たり回数のうち普通図柄による大当たり回数
⑨ 確率変動図柄の継続回数(連続性)
⑩ 各入賞口の「払い出し個数」の異常の有無の確認
⑪ 遊技が終了した時点での遊技球の獲得個数
⑫ 調査店舗内の同一型式遊技機の台数及び稼働率
⑬ 対象遊技機の過去最高大当たり回数(履歴)
⑭ その他(特記事項)
【写真撮影個所】
① ホール外観
② 調査台 全体構図
③ 調査台 台番号(ランプ)
④ 調査台 日工組番号
⑤ 調査台 「中央入賞口」(へそ)付近
⑥ 調査台 「左一般入賞口」付近
⑦ 調査台 「右一般入賞口」付近
以上がここまでの時系列順の事実となります。
どういうことかを簡略すると、
『6月から半年間かけて、機構の立入検査時に、「くぎ」の状況を検査します』
『即時通報はしませんが、最終報告はいたします』
『型式試験時には、1分間に2回程度は入賞する一般入賞口なので、試打中に、
まさか、この一般入賞口に1個も入賞しないなんてことは無いですよね? 左も
右も』
っと、ゆーことでFAです。