月刊シークエンス 5月号 寄稿文

「スマスロ北斗の拳の初期稼働からホールが考えるべきこと」

今回は4月初週から導入開始され、回胴界に旋風を巻き起こしているL パチスロ北斗の拳AD XR を通して見えてきそうな業界のこの先について触れてみたいと思います。

本稿を書いているのは導入開始からちょうど3週間経過した時点ですが、過去に類をみない高い次元での稼働維持には驚くばかりです。
支援先にもなんとか導入できたのですが、言わずもがなで実稼働状況はかなりのハイレベルで推移しています。

店外向けは休眠層へのアプローチを、店内向けには初代北斗の拳を知らない現在の遊技者層への訴求を高める事を
導入開始前のプロモーションとして各支援先にはお願いしました。

稼働開始後は全国的に導入が進み、ゴールデンウィーク前の増台も落ち着けば
休眠層を含めたレイトマジョリティーやラガードの遊技機接触が始まるだろうから、そこからが本番と伝えていますが、
この層への取り組みがロイヤルカスタマーを増やす絶好の機会と捉えています。

ディフェクター(離反者)を呼び戻す事は非常に厄介な事案ですが、今回は北斗がマグネットとなり休眠層の掘り起こしに加え
新規来店者も見かける様になってきていますので、新規会員入会への誘導や今後のリテンションは重要なポイントとなりそうです。

加えて北斗を目当てに来店し座れない、遊べないとなった遊技者がどういった店内回遊をするかに目を凝らす様にとスタッフへお願いしていました。

北斗導入の翌々週に控えるS/アナザーゴッドハーデス/SLの導入が始まれば北斗で再来店動機を得た休眠層の受け皿に
遊技動機としてそのネームヴァリューは成りえるとも考えていましたが、
ハーデス導入までは北斗導入前の主力であるS パチスロ甲鉄城のカバネリ ZRを中心とした6.5号機に流れてくれれば
一層の店内活性へ向けたストーリー展開を描けると見ていたところ、
スタッフミーティングの中ではジャグラー島との回遊が多く見受けられたとの事でした。

定点観測している何軒かの店舗を覗いてみてもその支援先だけの傾向では無さそうです。
このあたりにも店内活性のヒントがありそうです。

現時点でP-WORLDでは全国4585軒、69%のホールに導入されているスマスロ北斗。
ゴールデンウィーク明けから8月あたりにかけて増設、新設のホールが増えて行く事になると思われますが、
マグネットの磁力だけに頼らない店舗運営を心掛けたい今日この頃でございます。

ただ、このマグネット。
なかなかの磁力を持っておりまして、6.5号機登場以前にパチスロからパチンコへ回遊された回胴離脱遊技者層も
しっかりパチスロ島へ引き寄せて下さり全体稼働自体の向上とまでは繋がらないのが現状です。

そのパチンコ島に北斗級とは言わないまでも相応の期待を担って登場するのがeぱちんこ新必殺仕置人 激闘K6。
全国でおよそ15%のホールでの初動開始と相成りました。
どこまでの磁力を発揮するか注目が集まるところです。

今後も既に数型式の“e機”は適合していますので、仕置人の磁力が大きければ大きいほど“e機”の市場占有率も上昇していく事になりそうですが、
それほどでも無いとなるとまだまだ不足気味のユニットは“L機”中心に推移していくのは明らかでしょう。

現時点で全国71.4%のホールに“L機”は導入されているわけですが、
ユニットメーカーによっては、今後は“L機”の導入に沿ってユニットを増設するよりも“L機”島内での入替が多くなりそうです。
となると、店内活性という意味でも“e機”待望論も出てきそうです。

“P機”の市場投入開始は2018年からで初登場機種はニューギンのPAミルキーバーN-W6/N-W3でした。
設定1の確率が1/99.9、最高設定の確率が1/69.9という機械でした。

今期市場運用の始まった“e機”はeルパン三世ザファーストH4YZ3、e聖闘士星矢超流星EHTA、eぱちんこ新必殺仕置人 激闘K6の3型式ともに1/349での市場投入。

インパクトが重要なのは理解するところですし、京楽.の新デバイスも素晴らしいのですが、
もしも…現在ショールーム展示が始まったPA大海物語5ARBCやP フィーバークイーン Ⅱ Vといった1/99の機械が“e機”での登場機種であったなら…と、
考えずにはいられません。

理由としては、パチスロ遊技層よりも平均年齢の高いパチンコ遊技層に“e機”に慣れて頂くためと、
1/99機であれば検定期間満了設置も見込め、一先ず投資に対しての回収を、余裕を持って組みたてられると思うのです。

ヘソ1個賞球-1/319に疲弊気味のパチンコ島にヘソ1個賞球-1/349の投入ばかりでは客離れに拍車が掛る懸念しか思い浮かばない。
況してや1/349の3型式は遊技者には厳しく感じる様な実運用が想定されるだけに尚更と思うのです。

ラムクリア時のCタイムにしても、ブラボーキングダムや綱取り物語の30年前ならいざ知らず、
この御時勢に平日の朝イチからパチンコ店に並べるお客様は限られた方々と思われ、
また、この時代に営業中に電源オンオフイベントなど言語道断なわけですから。

藤商事からリリースされる予定のe RAVE 覚醒ループは少し毛色の違う仕様となっているのですが、
折角の“e機”ですから、驚く様なスペックチャレンジやデバイスでぱちんこ産業に新風を吹き込んで頂く事を各メーカーには期待しています。

もちろん柴咲コウを擁するKIBUN PACHI-PACHI委員会にも大きな期待を寄せつつ本稿は了とさせていただきます。