月刊シークエンス3月号 寄稿文

「ついにオープンしたスマスロ専門店に関する私見」

三寒四温の季節となり、春の足音が遠くから聞こえてきそうな今日この頃ではありますが、
この季節になりますと毎度花粉症に身構える事となる石川ですコンニチワコンバンワ。

政府は今月の13日からマスクの着用を個人の判断に委ねるという方針と言う事ですが、コロナに限らず、冬場はインフルエンザ予防対策、
春先以降は花粉対策ということで、個人的には気温上昇でしんどくならない限りしばらくはマスク必須の生活となりそうです。

さて、1年ほど前のシークエンスチャンネルの中で、スマート遊技機の登場で設置もオペレーションも楽になる事で“コンビニサイズ”の遊技場が出てくる
と言うお話をさせて頂いておりましたが、スマスロ市場投入から3カ月を経ないスピードを以って
2023年2月8日水曜日にスマートスロット専門店「スマートガーデン浦和」がグランドオープンをしました。
2月8日=「ニハ」≒「ニワ」=「庭」=【ガーデン】。さすがです(笑)。

ご存じの通り自社ビルの1階で営業していたナチュラルローソンの跡に66台設置での船出となりましたが、
注目していたユニットは株式会社サンタック(認証協)の紙幣収容タイプを採用。ホールコンピュータ、POSS、会員管理システムも同社の機器で整えています。

島は株式会社京楽のスマートユニット専用島を採用しています。[L ⇒ L]の入れ替えは勿論ですが、[L ⇒ e]も、[e ⇒ L]の入れ替えも簡単な島と伺っており、
このあたりは周到な準備と将来的な展開が伺えます。

データランプは株式会社 oneAのパネラシュテール、島上データ表示機はアピローゼを配置し‘積み’の見えないスマート遊技機を補完しています。
アピローザの高さがもう気持ち低いと良いのにとは感じましたがこのあたりの設備の陣容や無理に予算を掛けない内外装はチェーン店だけにぬかり無しと。

補給や回収設備が無く計数器も無い店内は、現在のホール環境では超小型店という印象ですが、そうは感じさせない十分な通路幅に見えました。
現在ほどのパチスロ認知はされていなかった昭和の時代はもっと小さなパチスロ専門店もありました。

何を隠そう初めて個人で請け負ったお仕事先はファイヤーバード7Uが17台というちっちゃなちっちゃな専門店でしたから。
あの頃の専門店は1機種のみの運用で、パチスロ専門店というより1機種専門店が多かったと記憶しております。
多層多機種構成大型化は先だって惜しまれながら閉店した新宿グリンピースの成功からとも記憶しております。

閑話休題。
満席に近いホール内には紙幣回収を担当するであろう役職者と賞品カウンターに1名のみのオペレーション。
他にホール内にスタッフは見当たりません。セルフPOSSであれば、早番遅番のべて各1名というオペレーションが可能であり、
ランニングコストの圧縮が期待できるとともに、人手不足の昨今、運営オペレーションの省力化は大きなポイントとなりそうです。

と、まぁ、こんな印象を抱きつつ温故知新を感じつつ世間様の感想を伺いつつ…
と、思っていた矢先、今度は愛知県名古屋市中区のドトールコーヒー大須万松寺通店跡地に「クイック7」という屋号で健全化推進機構への登録が成されたとの報。
ドトールコーヒーといえばワンフロア30~50席程度が多く、東京駅にある大型店でも100席程度。
元のドトールコーヒーは2フロアとの事ですが1フロアの営業面積はスマートガーデンより小規模と見ていいでしょう。

識者の方の中に「将来的には全台スマート遊技機になるのだからスマート遊技機専門店って」とおっしゃられる方もいらっしゃいますが、
前述した通りここ数カ月のスマート遊技機対応ユニットの確保の問題や現段階で全ての機種とは言いませんが
やはりL機とS機の遊技機性能差や先行利得を実感・体感したのはワシだけではないはずです。

また、これから市場投入される“e型式”を含めてスマート遊技機のポテンシャルから生み出されるであろう現行機種との差益等々を鑑みれば、
駅前・市街地での小規模多店舗展開は十分考えられるところではないでしょうか。

ダイナムの提唱する“信頼の森=ボランタリー構想”とは違ったイメージのフランチャイズ化による多店舗展開があるかもしれませんし、
頃合い良しと新規参入企業が出てきても不思議な事ではないでしょう。

また、小規模投資での収益性の見込める店舗展開が可能となる事で他業種出向や異動を強いる事の無い社内人財の活性化も視野に入り、
個人的に小型スマート遊技機専門店に悪い側面など微塵も感じられません。

将来的に全ての遊技機はスマート遊技機となるわけですが、そこに至るまでの時間の中で、
現在営業中のホールはスマート遊技機対応の設備投資と、機械購入を続けて行く事となります。
それらのコストを補う意味でも先を見据えた攻めの経営と捉える事ができるとも、小型スマート遊技機専門店を拝見して感じました。

スマートパチスロが始まってまだ3カ月、まだ4機種。それでもこれだけの動きがあるというのは雨過天晴の時という事なのでしょう。
個人的に大変興味深い先々の状況が想定できるだけに低みの見物とならない事を願いつつ
「天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず」
孟子の詞を添えて本稿は了とさせて頂きます。