7月18日

では、14日にあった回胴式遊技機製造者連絡会の内容を。

先ずは、あんまり聞けない、保安課の斉藤課長補佐の講和内容を書き起こしてみましたのでこれを。
(-----部はイマイチ聞き取れなかった部分ですのでご了承を)

7月14日  回胴 製造業者連絡会 保安課 斉藤課長補佐 講和

『三点お話させていただきます。
一点目は遊技機の性能についてです。
現在遊技産業においては、参加人口が減少している中にあって、平成26年度のレジャーブ白書によれば、一千万人をきり、970万人であったと承知しています。昨日か一昨日に公表された平成27年度のレジャー白書によりますと、参加人口は1150万人に回復しているということで、いい兆しだと思う一方、利益率が下がっているということと、一人あたりの負担額は増えているという状況が見受けられると思うのですけれども、その一方では、回胴式遊技機の射幸性というものは年々増加しているというところは皆様御存じの通りと思います。型式試験変更後の遊技機に於いては、最大MYが3万枚を超える様な性能を有しているという状況でありまして、回胴式遊技機に限ったことではありませんが、遊技人口と射幸性との相関関係をみておりましても、明らかに相反するものであり、つまりそれは、射幸性が高まると遊技人口が増えるという、時代はそういうものではないという状況でございます。射幸性が高まったからと言って遊技人口が増えるといったことではありませんから、そこいらへんのところを統計学的に把握しておく必要があります。これまでは、射幸性が高まれば遊技人口が増えるといった方程式が皆様の心の中にあると思うのですが、最早崩壊しているといった状況です。高い射幸性に魅了されていた遊技者でさえも、最近の回胴式遊技機に於いては、事故待ちの大当たりを目指して遊技しており、その大当たりを受ける前に多額の遊技料金を支払い続け、しまいには続かなくなり遊技をしなくなっているというような状況であります。また、余暇の対応性にともなって、安価で長く楽しめるものが世の中にあふれているのが現状であり、パチンコホールへ行かなくても手軽に安く長時間遊べるものが世の中にあふれているといったパチンコ産業にとって厳しい環境の中にあってこの業界を復活させるためには、面白い遊技機を開発する皆様の双肩にかかっているのではないかと、毎回言っていることですが思っています。
今回、日電協、日工組の両組合におきましては、本日お話のある通りと思うのですが、自主規制を決定したと伺っております。このような自主規制の決定は、皆様方が、低い射幸性の遊技機を開発し、小遣いの範囲で遊技する事により、遊技客が大当たりを体感し、本来の余暇としてのパチンコパチスロに向かっていくという方向性の表れだと思っております。今後におきましても各メーカー各自において、お互いにチェック機能を働かせながら適度な射幸性のもとで、パチンコ産業が発展していく事を期待しております。
2点目は型式試験についてでございます。
型式試験とは申請された遊技機が技術上の規格に適合していると証明するものです。皆様御存じの通り、わかっているよと思うのですが、その一方で、風俗適正化法施行規則を見ますと、著しく射幸心をそそる恐れのある遊技機の基準というものが示されておりまして、風俗適正化法におきましては、著しく射幸心をそそる恐れのある遊技機を設置してはならないというように書いております。皆様は型式試験時に、簡単に疑似ボーナスにならざ、また、上乗せも少なく、型式試験を通ればいいという理解だと思います。しかし、市場におきましては、先ほど申し上げた通り、MYが30000枚を超える遊技機が存在すると。つまり、著しく射幸心をそそる恐れのある遊技機が設置されているということであります。このような試験の性能と市場での性能との乖離が極めて問題であり、その乖離を無くして行くことが必要であると思っております。選考確率が極めて低いーーーー機能を搭載し、出玉の波を荒くするということがそもそも分母の問題であると思っております。特にAT性能のように、ルールの無い自由を獲得するためには、行きすぎない様に自らを律する必要があり、それが出来ずに、いわゆる無政府状態、アナーキー状態になれば、最終的には厳しい対応にせざるおえません。たとえ行きすぎた性能を有する遊技機を開発したのが非組合員であっても同様であります。このようなことを各メーカーは、遊技機を提供するという責任があることを肝に命じながら遊技機の開発を進めて行くことが極めて重要であると思っております。
遊技機規則の各条項文の細部だけの議論、ここにこれが書いてあるというのが多いのですけども、そもそも論として、―――された趣旨を理解して行くと言う事が重要ではないかなと言うふうに思っております。
3点目、最後になりますけれども、不正改造対策についてであります。
平成26年度の不正改造事犯を見ますと、そのほとんどが回胴式遊技機に関わるものでありまして、特に主基板と周辺基盤とのハーネスを狙うショートゴトや周辺基盤に不正ロムを取り付けるということなどです。周辺基盤を原因とするものが多数発生していると。不正改造と言うのは、そもそもれっきとした犯罪でありまして、その一時被害者はぱちんこ営業者でありますが、二次被害者は、遊技客でもあることを我々は忘れてはいけません。また、遊技機メーカー自体も被害者になるということを忘れてはいけないと思うんですよね。なので、今回、指示機能に関わる機能が主基板へ移行するということですけれども、条件装置機能ですけども、指示情報の表示というので色々議論させていただいているところですけれども、これらの議論と言うのは不正改造対策を含めて必要不可欠なものであって、今後さらなる対策と言うのが必要というふうに考えております。
風俗適正化法におきましては、射幸性ではなく、容易に不正な改造、その他の変更を加えられる恐れのある遊技機というのは設置してはならないというふうに書いてございます。今後、日電協、日工組をはじめとしまして、我々も参画しながらお互いに情報共有し、不正改造対策を進めて行く所存でありますので、今後ともご協力の程宜しくお願い致します。』

連絡会の主題目は 【回胴式遊技機におけるのめり込み防止に関する自主的な措置】について。
連絡会会員への通知内容は
「主に指示機能による射幸性と消費金額の抑制を目的として、自主的な措置(入賞Sim出玉率1未満規制)を講じることに致しました。
当該措置は平成27年12月1日以降に型式試験申請する遊技機に適用するものとし、それ以前に型式試験申請された等が措置の
内容を満たしていない遊技機の新台設置は平成28年7月末までとすることと致します。」
というものです。

現場感覚的に聞き慣れないのが「入賞Sim出玉率」。
解説文には
「役物等未作動時の再遊技に係る条件装置の作動確率が最も低い遊技において、
 内部抽せんを行い、条件装置が作動した場合には当該条件装置に係る図柄の組合わせが表示され
(ただし、役物等の作動に係る図柄の組合わせは表示されない)、
当該図柄の組合わせにより獲得することができる遊技メダル等の最大数が
獲得されることとした試験を行った場合の出玉率の設計値」とあります。

「役物等未作動時」=通常遊技時
「再遊技」=リプレイ
「再遊技に係る条件装置の作動確率が最も低い遊技において」=約 1/ 7.5
「内部抽せんを行い条件装置が作動した場合には当該条件装置に係る図柄の組合わせが表示され
 当該図柄の組合せにより獲得することができる遊技メダル等の最大数が獲得される試験を行った場合」
=AT機というのは、内部的には常にRT中であり、いわゆる特定小役や特殊リプレイに当せんすることで指示機能により
 図柄の組合せを表示しています
で、この状態の出玉率の設計値を 1未満にしますと。
要は、指示機能の作動非作動によって出玉をコントロールする(大きなMYを作れる)機械は今後作りません!
=AT機終了宣言
が、今回の自主規制。
ですから、今後は純Aタイプか、A+ARTが中心となりますよと。
現行型式試験機に関しては、2016年5月中旬~6月中旬まで伊勢志摩サミットがあることと、
主基板制御に少々手こずっているので、7月末までお時間いただきます。と。
で、連絡会冒頭の斉藤課長補佐講和にある
「MY3万枚という機能を有する遊技機はいかがなものか」
への対応として、「MY2万枚(傾斜値2.0)」を、今後の開発の目安とすることを確認したと。まぁこんな内容です。

ところで、上記の「入賞Sim出玉率」。
今回の自主規制の骨子となっているわけですが、では、自主規制しなくてはいけない既存機のこの数値はどのくらいなの?
という疑問がわいてくる(笑。
某社の、1セット50G/純増2.7枚、AT初当りの獲得期待値が平均500枚程度のAT機の場合、
この「入賞Sim出玉率」を計算してみると 1.7 程度。
この某機種はさほど射幸性の高い部類では無いのですが、GODクラスになると、いったいいくつくらいの数値になるのやらww

会の冒頭、佐野会長@山佐から、「思い出していただきたいのは、5年ほど前のMYは6000枚程度だった」という発言がありましたが、
これは、当然、山佐のモンキーターンを念頭にした発言でしょう。
モンキーターンは主基板制御のART機でしたから。
ですから、事ある毎に、パチスロ自主規制の件で引き合いに出されるのがモンキーターン。
ただ、当時とは型式試験に変更がありますので(下限出率等々)、当時の約2.0枚純増ART機の再現は少々厳しいかと…
ART専用機で1.8枚、A+ART機で1.5枚純増程度を想定しているといいのかなと考えております。

一先ず、ここまでで回胴模様に関するエントリーといたします。