日遊協 勉強会 

まず、復習しておきます。

新年開けて1月23日。
全日遊連全国理事会における生活環境安全課課長講和で発せられた『3つのお願い』。

1つ目が 射幸性の抑制
2つ目が 置き引き対策
3つ目が 撤去遊技機闇賭博流出を防止する枠組みの構築

2つ目と3つ目についてはここでは置いておきます。

『「1つ目のお願い」については、ホールの低玉貸し営業等は射幸性抑制への努力として認めると、事ある毎に行政は発言していますから、今回の『お願いの対象』は日工組、日電協。要するに対メーカー。』
と、当時のエントリーでは書きましたが、4月28日の警察庁より健全化推進機構への要請文から様相は一変…

5月14日、健全化推進機構より5月13日付にて、立入検査実施要項、並びに、遊技機性能調査実施規定制定を併せ、警察庁要請に対する受諾文章が発せられます。
これを受ける形で、5月15日。
業界、及び、各都道府県警察宛に通知文章が発せられました。
5月18日、ホール5団体に説明会が開かれ、5月20日、健全化推進機構より、各団体宛に調査開始についての協力依頼の文章が流れました。
6月1日。健全化推進機構より調査開始のお知らせが流れ、早々に「改善されていない」旨の文章が発せられました。
6月11日。日遊協総会での課長講和から一段と緊張が高まる事となり、6月15日、健全化推進機構総会時に、日遊協と機構との質疑応答が行われました。
そして、6月23日。
業界、及び、各都道府県警察宛に通知文章が発せられました。

これらを受け、7月6日、日遊協本部(東京)主催の「勉強会」が開かれました。
この勉強会。
ワシもオブザーバーとして参加させていただきました。
その内容に関しては、あたりまえですが、「行政と調整した結果」のものでは無く、日遊協会員内でコンセンサスを図るべく実施されたものです。
この勉強会が実施されるに至る経緯は上記の時系列からして必然ですし、以前のエントリー内にも、「では、具体的にどう対応したら良いのか?」という現場の混乱を落ち着かせ、今後への対応を考え、行動していくためにも必須。
ただ、日遊協は‘ホール団体’ではありませんので、あくまでも「提案型」になってしまう点は否めませんが、それでも、やらないよりはやる努力。
この勉強会の中で会員へ向けて提案、提言されたのは…
① 従来、慣例的に行われていた中央入賞口入賞優先の、いわゆるベース理論に基づくデータ管理に固執するあまり多くの現場環境の中で見受けられる一般入賞口のくぎの「ねじり」を是正する。
この「ねじり」というのは、一般入賞口の上釘と下釘を、いわゆる‘×(バツ)’の状態に、「入賞を阻害するために意図して調整」しているもの。まず、これは是正しましょうと。
② 不通過の是正。
これは、一般入賞口だけではなく、スルー、ワープはもちろん、板面全体の中で、遊技球が通過すると思われる部分、部位に対し、キチっと点検整備し、遊技球の不通過が起こらない様に是正しましょうと。
③ 悪質なくぎ曲げの是正。
くぎ、風車を「装置・部品」であるということを改めて認識し、くぎ自体の形状をペンチ等を使い変形させる、いわゆる‘腰を折る’とか、中央入賞口を広く見せようとする‘だまし釘’といった、変更承認を伴わない限り復元が不可能な一部散見される手法は悪質なくぎ曲げ行為であるので、是正しましょうと。
④ データ上であったり、通常、慣例的な板面状態から、『こちら側の感覚で』是正したという事では無く(ようするに、今までは11.02だったものを11.06にした…とか、BYminが0.5だったが0.8になったとかでは無く…)、『遊技者が一般入賞口への入賞を確認、体感できるレベル』まで是正しましょうと。
具体的には、いわゆるBY値において<3.0以上>といったデータであれば、これは、一般入賞口10個の賞球の遊技機の場合、1000円分の遊技時間内に少なくとも1回は入賞機会を得ているものに相当すると。
これは、言い方を変えれば、1入賞/約300発であれば、「入賞しない=最悪営業停止」のリスクは0.16%まで軽減できるということですよと。

この4点を短期的指針として是正、実行していくことで、やっとスタートラインに立てますよと。
例えば、CR大海物語3系のゲージでBY:3.0以上を実現させようとするならば、逆に過度のくぎ曲げが必要になるわけですが、そーゆーことでは無く、『意図して入賞を阻害する様なくぎ曲げ行為』は是正していきましょう!
健全化機構も、警察庁も、ダイコクSISデータを見ていますよ~!
このSIS上のBY値がまったく改善されていませんよ~ では、振り上げた拳は下げられることは無いと。
中期~長期視点では、日工組加盟各メーカーと共に対応していく事になりますと。

と、まぁ、こういった内容でした。

この勉強会の内容に関し伝え聞いた識者の方々からは、「これを遵守すると遊技機規制違反、無承認変更にも確実に問われない基準」が示されたわけでは無いので、非常に物足りない、拍子抜けといった感想が多く聞こえてきましたが、そんなもん無理(笑
この方々の論でいけば、現状、設置されている遊技機は全て不適合機であり、全台撤去か、諸元表通りで営業する2択しか答えが無い事になります。
今週から納品設置されている大海BLACKやアップルシードの出荷板面を見れば、彼らの論こそ暴言、妄言!とまでは言えませんが、だからこそ、短期的対応として、少なくとも上記4点を改善・是正していく事が非常に重要であると皆様にお伝えさせていただきます。