時間粗利
ここ数年、ダイコクが提唱している指標に「時間粗利」があるのですが、
これって現状を正しく反映できてるの?ってことですね。
このコラムのどこかで書いたかもしれませんが、僕が以前から「平均値から
構成される時間粗利だけから現状を予測するのはミスリードを誘う」

ずっと言い続けているのですが、相変わらずこの業界(この業界に限らずですが)は
権威に弱いと言うか(・´з`・)

8月号のグリーンべるとでもかなり怪しげな文体で書かれていますが、引用しますと

「基本的に時間粗利の上昇とアウトの減少はワンセット」

これは現行機種の仕様と密接な関係があって、単純に上記の言説(時間粗利の上昇)
はアウト低下の絶対条件ではないと言えます。
もちろん稼働が減少する十分条件たるものではありますが、これって単純に
「抜いたら稼動が落ちるよ」と言ってるに過ぎないんですよね。つまり

「基本的に玉粗利の上昇とアウトの減少はワンセット」

と言ってるのとなんら変わりません。
基準が玉1個あたり(もしくは0.6S)の粗利か、1時間(もしくは6000個または5000個)あたりの
粗利か、の違いだけです。玉粗利の変動と時間粗利の変動は連動していますから当然です。
それをあたかも目新しい用語を使う事で賢くなった気にさせてるだけですね。
でもこれはとんだミスリードで、後述しますが、時間粗利1000円程度のうち、例えば10円の増減で
稼動も連動して増減するという、個別または全体の相関データが全く提示されていません。
(時間粗利x+n円なら稼働yはこういう相関になるなど)
では時間粗利50円減少させたら、稼働が連動して大きく上昇すんの?ってことです。
時間粗利が稼働減少の主要因だと強弁するなら、それを実際に証明すべきです。

平均データの提示だけじゃなくてw

ただダイコクは恐らくわかっていますが、あえて端折って要点だけを説明しているに過ぎないんだろうな
と想像できます。
でもこれちゃんとした真意が伝わらないと、大勢のコンサルタントなどが意味も分からずに
「時間粗利が~」とドヤ顔で語る残念な結果になるわけです。('A`)


ちなみにSIS白書調べで時間粗利は前年比10円の上昇だそうです。
10円です。13時間で130円です(4円パチンコ)。


この数字が凄いのなら、プラスマイナス1円の変化が物凄い意味を持つ事になります。
例えばSISで前年比アウト1000発マイナスなんだそうですが(単純には関連付け出来ませんが)
平均データの関連付けが好きな連中なら

「時間粗利1円増減で、アウト100発の増減がある!」

と言い切っちゃう事が可能です。こんなの疑似相関ですらないと思いますが・・・
どこかのコンサルタントなら言いそうだなwww
ちなみに時間粗利10円を玉粗利に換算すると「10÷6000≒0.00167円」です。0.17銭に該当しますが
こんなもんコントロール出来る数字じゃないのは自明です。(絶対アウトで計算しても0.002円だし)
たまたま集計した年度平均データが10円プラスだっただけで、時間粗10円プラスを目標にしてたわけではないでしょ。
まあ結果的に稼働も減少していることから無理やり相関性を持たせただけでしょうね。
統計でもなんでもなくて、ただの一現象を論じただけに過ぎないわけで・・・。

まずこの時間粗利「10円」の構成要件を言及しないと、ただの平均の10円で何がわかるのか?
例えばσ(標準偏差)や2σ・3σによって、粗利・稼動格差は明らかに存在するのに、平均で言及する
のはパクるのが好きなコンサルタントを自爆させるための仕込みなのか?と邪智してしまいますが。

いずれ「時間粗利」の件は詳しく書きたいと思います。
現状平均データしか表示されないからと言って、それを万能に使うのは思考停止そのものなので
セミナーや業界誌の記事を鵜呑みにしないで少しは自分の頭で考えましょう、って提言でした。