2023/06/20

「2023年後半戦のパチンコ市場を考える」

早いもので2023年も折り返しの時期となってまいりましたので、今回は本年新春号に寄稿させて頂いた内容を振り返りつつ、後半戦の展望でも。

昨年末時点での遊技産業健全化推進機構への加盟店舗数は7,802軒でしたがこの入稿直前では7,478軒。
半年の間に324軒の減少です。
全日遊連加盟店舗数はおよそ6,900軒でしたが5月の総会でのお話ではおよそ6,600軒との事。
P-WORLDの登録店舗数は6,857軒から6,627軒となり230軒の減少というのがこの半年の業界模様。

P-WORLD上から10軒以上減少したのは愛知県、東京都、神奈川県となるのですが、
東京の場合、極端に言えば1駅に1軒なんとか持ちこたえているという状況。

メーカーへ目を向けてみますと新春号のWORD入力時には㈱オーイズミが㈱高尾を子会社化という報に聞き耳を立てつつPCへ向かっていたと記憶していますが、
今年の3月には老舗西陣が解散というなかなかショッキングな事もありました。
昨年来、メーカー間の販売力の偏りがより鮮明になってきているだけに、今後もホールの減少と歩調をあわせる様にメーカー間の競争は激しくなりそうです。

そんな厳しい状況の中でも昨年7月以降S 犬夜叉 CAN、S 甲鉄城のカバネリ ZR、S 新鬼武者2 ZC等々の強力6.5号機と
昨年末登場したアナザーリノヘブン、ヴァルヴレイヴ、バキ、エリートサラリーマン鏡といった4型式のスマートスロットを中心とした回胴島に明るい兆しが見え始め、
L北斗の拳AD XRの市場稼働が始まった4月からは往時の回胴島を彷彿とさせる光景がゴールデンウィーク中には見られたホールも多かったと思います。

2022年末時点でP-WORLD上では全国のおよそ47%のホールがスマスロを導入していましたが、現時点(5月23日)でおよそ74%のホールがスマスロを導入。
北斗の拳に限って言えば、富山県のホール導入率がおよそ93%と最も高く、次いで福井県のおよそ89%、山梨県がおよそ87%と続きます。

初代北斗の拳は6種類のパネルデザイン追加を経て62万台という途方も無い販売台数でしたが、スマスロ北斗は現在おおよそ6万台。
初代が登場した当時は14,000軒以上のホール数でしたから現在はその50%とすれば31万台の市場需要ポテンシャル(汗。
既に2枚目のラオウパネル争奪戦となっているだけに(泣、今後も目を離せない機械と言えそうです。

6月以降9月上旬までの回胴で既に納期が確定しているのは12型式。
そのうちL型式は8型式。このラインナップにあと数型式が追加されるとは思いますが8月上旬は全てL型式のスタンバイとなりそうです。

さすがにこの頃にはユニット供給も多少なりとも改善されるとは思いますのでスマスロ第三の陣といったところでしょうか。

年後半戦に向けては回胴島の増床を視野に入れた動きもありそうですし、往時の様な北斗専門店の出店なんて事にもなれば
いよいよ回胴復活の機運も高まる、そんな可能性をこの半期で感じています。

話をパチンコ機へ移そうと思います。
5月19日に大々的に発表されたP フィーバー機動戦士ガンダムSEED Sが予定販売台数、話題性共にこの夏の主役は間違いの無いところ。
なのですが、本来の主役は“e”型式であって欲しかったというのが正直なところ。

ここまでにe 聖闘士星矢 超流星 EHTA、e ルパン三世 ザ ファースト H4YZ3、そしてe 新必殺仕置人 激闘 K6の3型式が登場しました。
稼働開始がゴールデンウィーク直前だった仕置人、さすがにゴールデンウィーク中は動きましたが
平日に戻ればよもやよもやの…といった声を多数聞き、また実際に目にしました。

導入状況を確認してみますと、P-WORLD上では全国でe 聖闘士星矢がおよそ13%、e ルパン三世がおよそ15%、e 新必殺仕置人がおよそ38%の店舗導入率。

仕置人導入によって先行2機種導入1,000店舗余に加え1,500軒余がスマパチユニットを新規導入した事になります。

新春号で「ここのところ市場投入される機械は重量級TY・MTY機ばかりで射幸性に主軸を置いた、逆に言えば遊技者への負担強度の高い機械ばかり。
個人的には一言でトレンドと片付けられない由々しき問題と感じております。」と記しましたが
スマパチを含め懸念していた通りの状況になっているなと日々感じているわけですが、
初期投資が20,000を超える349分母のスマパチで下限B値運用としても出率100%分伎が1,000円で16回台、
仕置人に至っては15回という設計ではいくら平均TY5,000発超(仕置人は5,000発以下)といってもお客様の財布がもたない。

ディスっているわけではなく、「スマートパチンコにはこの辺りを打破・打開してくれるような新しいゲーム性、仕様での登場を期待せずにはいられません。」とも記した通り、
期待しているからこそ。

CR機にしても市場投入開始から1年を経てのCR花満開登場まではパッとしなかったわけですし、P機もP牙狼 冴島鋼牙XX登場まで1年掛っています。

6月の“e”型式投入はありませんが、7月にはe キャッツ・アイ 3 H4YZ3、e RAVE 覚醒ループ JMC、e 花の慶次~裂 一刀両断 DL2-MXの3型式が控えています。

しかしながら、今のところお盆商戦での“e”型式投入のアナウンスが無いということからも
秋以降から来年にかけて仕切り直しとなるであろう“e”型式と予想しております。
一部で話題となりつつある‘ラッキートリガー’等の内容も含め、新生“e”型式の登場を楽しみに待ちたいと思います。

新春号の中で「パチンコ業界は10年ぶりくらいの特需を迎えている」という日本工業新聞に掲載されたマミヤ・オーピー・関口社長の記事に触れましたが、
スマートユニット以外でも来年には新紙幣が発行されるわけでして、設備投資、機械購入費、電機代等々ホールの消耗はしばらく続きます。

年末に向けて店舗数減少は続いて行くのは致し方無いところですが、この先には明るい未来があると信じつつ本稿は了とさせていただきます。

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