2023/12/29

空気の乾燥具合もめっきり秋めいて過ごしやすくなってきた今日この頃。
とは言え、物価の上昇もあり娯楽・遊興費は湿りがち。お盆明け以降は期待の遊技機も忖度遊技機も結果が伴わずの中、
年末にかけて畳みかける様な新機種投入ラッシュに辟易としているホール関係者も多数と心得ております。

そんな中でもパチンコであればe Re:ゼロから始める異世界生活 season2 M13からのPシン・エヴァンゲリオンX、eシン・エヴァンゲリオンZ。
パチスロではL /前後編 f/UUからのLバジリスク絆3と耳目を集める機種を頼りに1軒平均10台を導入した事となるPフィーバー機動戦士ガンダムSEED Sの撤退戦、
1軒平均5台程度の導入となっているL バイオハザードヴェンデッタ FK、L EVANGELION・未来への創造jFの撤退戦をこれらの機種で仕掛けつつ2024年迎春へ向かって行く流れ。

1年前のこの時期は「スマスロリリース前夜」というお題で入稿させて頂いたのですが、そのリリース後、
昨年11月から本年12月の間に導入、導入予定の回胴式遊技機に於いてはS型式51機種に対してL型式は33機種。

特筆は2023年11月~12月期ではS型式5機種に対してL型式は11機種と、2024年の営業を睨む上で
回胴に於いてはいよいよスマスロへの本格的な移行の幕開けと捉えております。

とは言え、初陣を飾ったLバキL3、LアナザーリノヘブンCCは既に全国1,300軒余から姿を消しているのも事実。
そんな島構成の中で現在核になっているのは御存じL パチスロ北斗の拳AD XR。
4月の導入開始から半年を経た10月現在で630軒余の設置店舗数を増やし続け、導入5,301店/登録6,445店。
年内で7万台設置予定と言うまさに世紀末救世主伝説。

少しばかり調べてみますとP-World上では10月段階ですが全国でおよそ82%の導入率となっています。
ちなみに富山県に於いては導入率100%!次いで福井県、青森県、三重県、山梨県が90%台の店舗導入率。

この、現在最も導入店舗の多い北斗をモノサシにして全国を見渡してみますと、なかにはL機は導入しているが北斗は未導入というホールもあるのですが、
北斗未導入≒スマスロユニット未導入とした時、これが全国で1,140軒余。遊技機のリリース状況がL機へシフトされている中、
2024年には新紙幣への対応を含め、「設備」というキーワードが大きく浮上してきます。

支援先の1つでは既に大枠での見積りを頂いたのですが、シークエンスチャンネルにもありましたが、全てのサンドのビルバリ交換を回避する手立てはあるものの、
2004年のビルバリ交換時同様やはりそれなりの圧迫感を抱いたのは否めません。

全国的に従業員採用が難しい昨今、望まざる人件費圧縮となっている業界事情ではあるのですが、
やはり、来年度こそ機械代費をどこまで圧縮できるのかという正念場となりそうです。

正直、忖度なんてしていられる状況じゃぁ無い。

何れにしろ、年末から年始にかけて導入されるパチンコ機であればe Re:ゼロから始める異世界生活 season2 M13@大都、e シン・エヴァンゲリオン Z@Bisty、
回胴ではL /バジリスク絆 2 ~天膳~/HZ、L 吉宗ライジングSA2を中心に2024年の業界は動いていくのは周知のところ。

特にここまでやっと薄っすらでもSAOで片目が開いたスマパチの今後の流れは上記スマパチ2型式次第。
HIT機種となってもならなくともやはり設備がキーワードとなりそうです。

そこで、2022年度に設置開始され、2023年現在稼働10週を経過しているパチンコ機165型式、回胴は6.5号機SキャッツアイH6以降に導入され、
稼働10週を経過している78型式の機械代償却状況を調べてみました。

実際に現在設置されている遊技機の利益状況がどうなのかを目視する事でこの先の闘いに望みたいとの思いで作成開始!

遊技機価格を50万円とした時、延べ台粗利が導入20週(5か月)経過時で50万円以上の機械をBIGDATEから抽出してみました。
パチンコ機では70型式/165型式。回胴では29型式/78型式という結果に。
売却も償却の内との考えもあります。
設置開始前の遊技機は除き、2023年11月以降検定期間(東京基準)を有する設置可能な遊技機はパチンコ機で370機種程度、回胴で200機種程度あるのですが、
これらの機種の導入10週時点での中古価格の中央値はパチンコ機が19万2千円、回胴は25万円。

では、導入10週時点で延べ台粗利がこの中央値に達している遊技機を抽出してみますと、パチンコ機は147型式/165型式。回胴では55型式/78型式となっています。
が、
この時点で売却したとしても、代わりに機械を導入しなければならないという輪廻がつきまとう。

昭和の時代は今の様に次から次と遊技機がリリースされるわけではありませんでしたので1機種が中期以上の運用となり、
結果、3カ月、半年に1回の新台導入初日に割が上がらないと怒られたものですが、現代遊技機運用はそう言ってはいられないですものね。

閑話休題。
問題は、20週掛けても自力償却できないパチンコ機95型式、回胴49型式。
また、導入10週で中古価格中央値に延べ台粗利が至らないパチンコ機18型式、回胴27型式。
機種名、メーカー名等の詳細はやはり紙面では控えますが、メーカー毎の個性が映し出されていてなかなか興味深い資料のできあがり!

この中にはパチンコ機であればセル交換やリユース等で廉価導入可能の機種、回胴では仕様的にコイン粗利の低い(又は、低く運用しているであろう)遊技機群も含まれていますので一刀両断というものではありません。

しかしながら作成した資料を眺めてみますと、下位に目が進むにつれパチンコ機も回胴も少しばかり悲しくなったのが本音…

それでも、6.5号機登場以降、20週余裕の自力償却機種や10週償却の猛者も登場している回胴には改めて胸を撫で下ろす想い。

最近悲観的な意見の多そうなパチンコ機でも、2022年以降市場投入された遊技機では、ほぼ全てのメーカーから少なくとも1機種は20週自力償却機種が投入されているのもお伝えしときます。

装置産業の側面もある以上新機種導入は“自店にとっては新機種も含め”止めるわけにはいかないのは事実。
自店に「いま必要な機械」の判断と効果的な運用がより求められる2024年前半戦とまとめさせて頂き本稿は了と致します。

ページ