SH@CK視点の【旧規則機市場撤去によって市場へ齎した変化】

2018年に規則改正が施行されて早4年、遂に“X-DAY”とも言われた旧規則機設置期限となる2022年1月31日を迎えた訳だが、市場は一体どのように変化したのか…
という事で、今回は【旧規則機市場撤去によって市場へ齎した変化】を某DATAの数値を中心に確認したいと思う。

まずは大まかな規模の確認として
●売上・粗利・台数を前年比で確認してみよう。
※【売上】[粗利]《台数》
『2022年2月全体』【101.78%】[100.26%]《98.32%》
『2022年2月パチンコ』【113.35%】[110.59%]《99.62%》
『2022年2月スロット』【85.85%】[83.87%]《96.27%》

『2022年1月全体』【110.45%】[109.12%]《102.12%》
『2022年1月パチンコ』【124.55%】[120.59%]《104.35%》
『2022年1月スロット』【92.63%】[92.92%]《98.83%》

『2021年全体』【98.61%】[100.49%]《101.32%》
『2021年パチンコ』【109.60%】[109.25%]《99.90%》
『2021年スロット』【86.73%】[89.22%]《103.58%》

前年比1月から2月への比率推移としては大幅に減少している数値にはなるが、2月単体での数値としては台数が減少しているにも関わらず売上・粗利は前年比で100%を超えた結果となっている。パチンコ・スロットでの推移は前回のコラムでも触れた通りにここ数年は反比例した規模となっているが、2022年の1月から2月の減少率で言えばパチンコの方が大きくなっている。とは言え、閉店・休業による営業台数の変化による影響は大きいので一概に一つの数値だけではミスリードに繋がる恐れがあるので注意が必要となる。

それでは次に実際に旧規則機撤去の境目となった
●1月から2月を2021年と2022年の対比で確認してみよう。
※【2021年比率】[2022年比率]《年比差分》
『全体売上』【97.53%】[89.87%]《-7.66%》
『全体粗利』【92.38%】[84.89%]《-7.50%》
『全体台数』【96.55%】[92.96%]《-3.59%》

『パチンコ売上』【103.04%】[93.77%]《-9.27%》
『パチンコ粗利』【97.78%】[89.67%]《-8.10%》
『パチンコ台数』【99.21%】[94.71%]《-4.50%》

『スロット売上』【90.19%】[83.59%]《-6.60%》
『スロット粗利』【84.79%】[76.53%]《-8.26%》
『スロット台数』【92.63%】[90.24%]《-2.40%》

『4円パチンコ売上』【102.69%】[93.1%]《-9.59%》
『4円パチンコ粗利』【101.71%】[93.12%]《-8.60%》
『4円パチンコ台数』【98.89%】[94.87%]《-4.03%》

『20円スロット売上』【89.16%】[83.19%]《-5.97%》
『20円スロット粗利』【83.54%】[75.74%]《-7.80%》
『20円スロット台数』【91.96%】[90.07%%]《-1.89%》

レートにより上下幅はあるものの、基本的には前年より減少率が大きい結果となった。但し、注意すべき点として、2月の比較対象である2021年と2022年の1月には状況が大きく異なる点がある。異なる点として新台リリース状況に大きな差があり、2021年は1月に新台が非常に少なく入替も1回しか行えないホールが多くあった程となり、2022年は知って通りに旧規則機撤去の背景より新台が非常に多く、1月から2月への対比を正確に測る事は困難となり、一概に旧規則機撤去の影響からとは断言出来ない結果と言える。

それでは、これまでの数値を構成している
●高貸市場機種構成の高貸機種の推移を確認してみよう。
※一定の実績が計上される機種のみ
【1月機種数】[2月機種数]《前月差分》

『4円パチンコ』
「市場機種数」:【266機種】[256機種] 《-10機種》
「当月新機種数」:【9機種】[11機種]《2機種》
「残存旧規則機種数」:【27機種】[7機種]《-20機種》

『20円スロット』
「市場機種数」:【252機種】[211機種] 《-41機種》
「当月新機種数」:【15機種】[3機種]《-12機種》
「残存旧規則機種数」:【74機種】[31機種]《-43機種》

スロットはパチンコ共に旧規則機種の減少数が全体機種数の減少へと繋がっており、既存機種への流れている傾向にある。但し、スロットは旧規則機依存が強かった事もあり、機種数の減少規模が非常に大きく「バジリスク絆」などの市場台数が多い既存機の支持率が急激に上昇する傾向が見受けられる。

そして、
●市場台数について
※組合加盟店舗
【1月】[2月]《差分》
『営業店舗』【7,544】[7,418]《-126》
『廃業店舗』【73】[87]《14》
『休業店舗』【188】[223]《35》
『パチンコ台数』【2,110,159】[2,080,399]《-29,760》
『スロット台数』【1,341,112】[1,304,311]《-36,801》
『総台数』【3,451,271】[3,384,710]《-66,561》

2021年の廃業店舗は月平均で約53店舗となっており、2022年に入り飛躍的に跳ね上がった数値となっている。そして、昨年3月が多くの法人が決算月であった為に近年では突出した127店舗の廃業数であったので、2022年3月の廃業店舗数は更に上回る廃業数となる可能性を秘めた結果となった。因みに2月の営業店舗数・台数に於いては、2021年2月からは756店舗・27.6万台が減少し、2020年からは1,355店舗・46.6万台が減少しており、業界規模は縮小傾向にあったのは間違いないが、その推移も緩やかになる事が予想される。

と、今回も纏まりなく様々な数値を並べて変化・推移を確認してもらった訳だが、旧規則機の撤去により市場変化は少なからず齎され、市場台数や機種、各種営業数値は減少しているが新台状況や季節変数による影響が目立っており、あくまで1月から2月といった点での変化としては“X-DAY”と言われた程の急激な変化は確認出来ないとも言える。これはホール及びメーカーの取り組みの結果と言っても過言では無く、その結果こそが規則改正及びコロナを経て業界の在り方が劇的に変化した為である。今までは逸脱した行為が当たり前に横行していた業界だったが今回至っては期限切れ遊技機の違法使用の話を殆ど耳にしない。これは“変化”と言うよりは逸脱した行為をするホールが間引かれ、“清浄化”に近いのかもしれないが時代の変わり目で感じる大きな変化であるのは間違いないだろう。

繰り返しにはなるが2018年2月に施行された規則改正より早4年が経過し、対応にも紆余曲折はあったもののこれで一段落である。6.5号機・安全装置・管理遊技機と商品である遊技機対応はまだまだ続くが、これからは従来通りに“任意”の対応となり、今回の“義務”を果たした事とは全く異なり、業界は大きな役割を果たした事になる。この事も含め、ここ数年の取組により行政との関係性も良好となり、遊技機性能は勿論の事、広告的規制も緩和傾向とも耳にしているので、これから市場は“任意”による多様さが生まれ、ユーザーの選択肢が多岐に渡る市場になれば、取り組み次第では今以上の活性化に十分期待出来るだろう!

今回は業界全体の推移をお届けしたが、次の機会には実営業に使えるネタなどもお届け出来ればと思う。

では、またの機会に