「2021年の振り返りと2022年へ向けて~メーカー編」

パチンコ機における2021年のヒット機種といえば?
多くの方がユニコーンと牙狼とお答えになるのです。確かに「人気≒稼働」面でのホールにおける貢献機種として本年特筆に値するのはこの2機種。しかしながら、2021年における最多販売台数機種は三洋/沖縄5。「ヒット機種」の定義を「設置店舗数の多さ≒もっとも多くのホールが購入し、多くのユーザーが打つ打たないは別としても目にした機種」とした場合、なんと、花の慶次2漆黒の衝撃EXTRARUSHが導入店舗数ではトップへ躍り出る事に。まぁ、今期を1月末までとするならば最終的にはJ-RUSH 2型式の導入概況からも、結果、ユニコーンが2021年登場機種の顔となりそうな趣きではあるのですが、ニューギンのマクリとゆーか当期後半のゴリゴリの販売手法は驚愕の一語。慶次3をぶら下げられた結果なのは周知のところですが、それにしても、ヘソ1個賞球にして1000円/15回以下の運用になることがわかりきっていた仕様を年末年始の繁忙期に5000軒以上のホールが4台以上抱えて営業する事に。エヴァ15の活況の影に上手く隠れてはいますが、これで慶次3の結果が思ったほどでは無かったとなれば、本年のニューギンは新年早々に4月までの販売計画をリリースしてはいるものの、ホールの視線はかなり厳しくなるのかなと。それもこれも慶次3の稼働結果次第ではあるのですが、EXTRARUSH導入店舗数=慶次3導入店舗数となるだけにどうなりますことやら。
同じ流れは藤商事にも。地獄少女は4000軒が4台以上を導入。こちらも 地獄少女 導入店舗数=超電磁砲 導入店舗数となるわけですが、これが慶次3と同日開店。
慶次を育て上げた故S大明神が生きていたら、牙狼、ユニコーンを目の前にして、EXTRARUSH、慶次3の仕様を良しとしたか?この販売計画を良しとしたか?
故人を営業現場時代から知るワシとしては非常に疑問が大きい2021のニューギン社でした。
慶次3の高稼働を願わずにはいられません。
その2021に変貌というか、変化を見せたのが大SANKYOではなかろうかなと。この感覚の基点となったのはゴルゴ13の変態3000発仕様をリリースした時。どこが変態仕様かは割愛しますが、たぶん、T社長が日工組理事長のままだったらあの仕様では役員会を突破しなかったんじゃなかろうか?で、AさんがBistyの社長へ就任して版権の使い分けに変化が出た。ギアスとEVAがBistyはわかるけどヤマトがBisty?ちょっと驚きました。で、あのEVA15のハンドル。2022も炎炎を筆頭に初パチンコ化版権を数個抱え、また、次のガンダムにはホール側の期待も膨らむでしょうし、J-RUSHの様な売り方を控えてさえくれれば2022も安定の販売計画になろうかなと。あとは、連戦連敗中のファフナーをどう仕上げてくるかでしょうか。
ダイイチの2021は5型式のみとラシク無い1年。ただ、明菜とバカボンで一先ずおそ松の悪印象は払拭できたのかなと。ひぐらし依存とおそ松固執から上手く転換して欲しいものです。studioぴえろ なら、ブラッククローバーもBLEACHもあるだろうに…
大人しかったといえば、京楽.。GANTZ極はフィールズでしたから、京楽産業としてはウルトラマンタロウ2、乃木坂以外は甘デジ4型式しか販売していない。そのタロウ2も乃木坂も頑張っているのは伝わってくるのですが、市場結果は… 2022の販売計画では初遊技機化版権もチラホラありますし、巻き返しを期待しておきます。
平和はマモールパンを引きずったまま新日本プロレスで2021へ突入しちゃって…
なにより平和とアムテックスの新枠と販売計画が絡み合わなかったなぁという印象。うまい棒を入れたくても枠が無い。とはいえ、新台でとなると価格にちょっと引く。バキも同様。2000カラットでマモー払拭&アムテックスの新枠シェア率アップが2022の課題かなと。
藤商事も藤枠とJFJ枠で混乱した時期もありましたが、アリア、リング、地獄少女ルーチンでコロナ禍の2年がかりで相応に行き渡ったのは強み。インデックスがJFJ、レールガンが藤って色分けで確固とした枠シェアを土台に進み始める2022は安定とみますがどないやねん?!
シェアと言えば、モモキュンのおかげで199確率帯島内シェアを確保し、その後は同一確率帯へ偏向投入し続ける事で島内シェアを維持しつつテンポ良く甘デジ投入でつなぎ… 319帯には見向きもせずに(相手にされないのかもですが)ブルーオーシャンで堅調な2021だったのかなと見えた西陣。ただ、やはりエース枠の時にモヤモヤ。西陣の2022も枠シェアが課題でしょうか。
なんやかんやで相変わらずのコロナ禍は時短引き戻しの如くオミクロンで継続確定という状況ですが、「導入できた店」では梅雨空もコロナ禍も吹っ飛ばしてくれた SANSEI R&Dの看板牙狼。ここで注目されたのが言わずもがなの継続購入歴。特にSANSEIは有無も言わせぬわけで、面喰った大手法人が高額中古を買い漁るハメに。それ以降の従順な購入状況はある意味痛快。キャプテン翼に引導を渡されたのは痛恨でしょうが、2022もノールック購入店舗は継続すると思われ。
ただ、この購入歴。牙狼以降、“コレ”を今までよりも大きな声で言う様になったメーカーさんが多い気がするのはワシだけじゃないと思う。まぁ、どんな業種にも御得意様ってのはあるのでコレを言下に否定はしませんが、2022、“コレ”で面倒臭い筆頭になりそうなのがユニバーサル。2021ではバジリスクの甘デジはなんとか‘パチンコ遊技機’でしたが、他の4型式の惨状と言ったら、もうパチンコ機は作らないでとお願いしたいレベル。まだ見ぬ回胴6.5号機のためにとはいえ、その原資はお客様に楽しく遊んで頂いてのもの。
いやぁ~面倒臭い。
高尾はアレから3年経過し、らんま1/2の保有期限も無事クリアし、本当の意味での新体制における開発遊技機へというのが2022になるのかなと。頑張れ!
年末の流れの中で面白かったのが豊丸の高須クリニック。10月くらいにヒアリングに呼ばれ機械は見せて頂き、3000台は固いと伝えていたので、新体制の慌てっぷりに個人的にはホッとしているのですが、問題は実稼働が始まってどうなるか。絞められたら面白くもなんともない役物だけに、ホールでの使われ方次第。本来なら高須の設置開始前に次機種をリリースできれば更に枠シェアも伸びるのですが、なんにしろ、お金はかけられない現状でとなると、内規違反スレスレでも知恵と挑戦!頑張れ!!
ホールでの使われ方という点で、非常に心配なのがSAMMYのRE:真北斗無双319 。時短100回orST130回。特図2中のリーチ尺は現役無双と変わらず。で、右のスルーから電チュー周辺のゲージ構成も変わらず。変更点は右のフロック賞球数が3個⇒2個。実機試打時にイチバン時間を掛けたのが、実は右打ち時の玉減り具合の確認。出荷クギ尊重で運用してくれれば良いですが、まぁ、間違い無く、どこのホールも現設置機同様に ヤル よね。SAMMYの2021は手堅いといった印象。新枠への移行はさすがに北斗ブランドでスムーズでしたが仕様的にはMY重視に偏っていたのであまり幅が見られずセル替え⇒セル替え⇒セル替えで、販売型式数、販売台数の割に設置シェア自体はさほど伸びなかったのかなと。2022も手堅く行くのかな?ECが順調なのが意外に強みになりそうです。
大都の2021はRe;ゼロ 1型式のみ。明けて2022に Re;ゼロ ですが、C時短の使い方は褒められていいと思います。これをユーザーが受け入れたら2022のスペックトレンドへ喰い込んできそうと言ったら言い過ぎかしら。高尾/カイジ159のC時短処理同様、2022はC時短への各社の挑戦が楽しみです。
最後に三洋。2021は12型式リリースしたウチの8型式が「海物語」シリーズ。ギンパラ、わんパラも海の系譜と見れば、韋駄天の甘以外は全て海の系譜。機械作りをしなかった1年と言っても過言では無い。2022も初頭から海3Rでスタート。2022の長者番付け確定ですね。
と言う事で、2022初のエントリーは「2021年の振り返りと2022年へ向けて~メーカー編」ということで、本稿は了と致します。