月刊シークエンス7月号 コラム 「業界羅針盤」より

 「KUGITAMAとか低射幸性とか諸々」

ここのところの頻発する地震や台風絡みの豪雨等々、そんな中で繰り広げられるワールドカップ北中米大会。
日常不安を吹き飛ばしてくれるような日本代表の活躍を期待しております(ブラジル戦前の寄稿なのでその結果は知る由もなし…)。

まぁそれにしても、ドーハの悲劇の頃はワールドカップに出場することが悲願だったわけですが、もはや隔世の感。
60数年生きてきましたが変化、進化のスピードってすごい!爺は頼もしく思っております。

では、我が業界の変化、進化と申しますと…
ワシ、かれこれ業界にお世話になって40年となりますが、ハード面は着々と変化、進化しているのは火を見るより明らか。

ただ、業として根源となる射幸性はユーザー側のある意味心の持ちよう。
昭和の時代とは違い他にいくらでも楽しめるモノが多い中、ぱちんこへ目を、興味を抱いていただくのってなかなかの至難の業。

ワシがパチンコを認識したのはまだ手打ちの機械がホールに残っていた頃。
フィーバー機登場までは、殺伐というよりのんびりとした店内の空気感を覚えております。

フィーバー機の登場は衝撃でした。
ワシからしてみればフィーバーは大人の遊びでしたから、遠巻きに島を覗くくらいでしばらくは手を触れることはありませんでした。

遊技対象は財布の中身に見合ったハネモノ。遊び方は人それぞれですし、これは今も昔も変わっていないのかなと。

そんなこんなで大学卒業後新卒としてなぜかぱちんこ業界へ足を踏み入れる事に。このあたりの事情は色々あるのですが長くなるので割愛。

まだ統一キーの無い時代。閉店時の遊技機データはインとアウトと差玉表記のみ。ある意味これも隔世の感ですな。

業への興味はありましたのですが、とにもかくにも‘くぎ’を渇望していたのをよく覚えております。

初めてお客様と板面を通じて会話したのが今はなき奥村のミルキーウエイ。今でも1台保有している思い出の機械。

今の機械との大きな違いは“重さ”ですかね(笑)この40年間で機械が重くなった分だけ価格が上がったと心得ております。

当時のパチンコ機はパンク上等の自走式。遊技者が勝手にスランプを作ってくれる優れものと言ったら言いすぎか。

この先登場してくるP はねもの シャカRUSH 2@マルホンがこの自走式。
KUGITAMAプロジェクト@三共からも自走式機種を投入予定と伺っておりますので、現代の遊技者感情がどう受け止めるのか大変興味深いところ。

ぱちんこにおける低射幸性とは「入口は小さい投資で遊べても出口も小さい」って勝手に定義づけしてみますが、
競馬におけるこの範疇は複勝となりそうなところですかね。

が、競馬との大きな違いは「入口はいくらでも大きく投資できる」という点。

これを踏まえたうえで、では、ここ数年に市場投入され、現役稼働中のハネモノに少し触れてみようかなと。

2021年PニュートキオV1。2024年Pポチッと一発おだてブタ2 V1。2025年PハネモノファミリースタジアムMD、PファインプレーH3の4機種。

どの機種も250発~1130発獲得を目指す振り分けタイプの完走型。

運用玉単価の4機種平均は0.67円。平均の玉粗利は0.12円といったところ。
ニュートキオは定価¥359,000に対し定価ベース個体償却に98週(およそ2年)を要しましたが、
おだてブタ2¥459,000に対し28週、ファミリースタジアム¥469,800に対し19週、ファインプレー¥429,000の対し31週にて個体償却完了。

そこいらの中・高射幸性遊技機群より優秀な運用状況。

ハネモノに限らず低射幸性機種はザックリ言えば「のんびり使いましょう」ってところは織り込み済みでの各店導入(の はず)。

持ち玉でゆっくり遊んでいってくださいね♪との思いでしょうか。

1500軒ほどの導入店舗数で全体から見ても1.4%程度の設置比率ですからホールの中心機種というわけではありませんし、
売り上げ、利益貢献は薄いわけですから何らかの意図、意志を遊技者側へ伝えたいもの。

昔は“打ち止め―開放”なんてイベントがまかり通っていたので伝えやすい環境でしたが、今はそうは行かないですし、
連日右肩上がりのグラフになった途端に特定遊技者のある意味餌食に。

とは言え、SNSなど無縁の古の時代から‘ジグマ’はいたわけでして、彼らとくぎを通じて渡り合うのも楽しかったものですが…。

低射幸、中射幸路線の打ち出しは「BT10」と声高に宣言するほどの流れには至らないのは重々承知としても、
とにかく低・中射幸遊技機は販売価格抑制が絶対条件。

「親機からの面替えでお安く…」といっても、その親機がどれだけ貢献してくれたことやら…。

抑えた価格の機械が長期設置できればそれだけ負担は少なくなるというのは自明の理。

40年前のハネモノはどれも10万円以下でしたからこそ業を支え盛り上げていたのは明らか。

販売価格と共に貯玉再遊技も少しばかりの懸案事項ではあるのですが、高価でも動けば良いと言われましても、今や御覧の通りの状況。

ホール数が減れば自ずと販売台数も減るのですから。

そんな事はわかっているというのであれば価格問題への取り組みは是非お願いします。

できない理由よりできる理由を本気で考え実行へ移さないと衰退は止まらないと、
あと何年生きていられるかわからない歳となり無憂無風でありたいと願う爺の戯言にて本稿は了といたします。