月刊シークエンス10月号コラム【業界羅針盤】より

「LT3.0+からの年末商戦」

一雨ごとに気温は落ち着きつつあり秋の気配も感じてきてはおりますが、地下施設を直撃するような一雨は勘弁してほしいと肌で感じている石川です。

いやぁ、線状降水帯の脅威を初めて体感しましたが、遭遇しなくてよければ遭遇したくないと感じた次第。

さて本稿では7月から導入の始まったLT3.0+のここまでの振り返りと、それを踏まえたうえでの年末商戦展望でも。

7月以降この2か月で市場投入されたLT3.0+機種は20数型式。
ハイスペックからミドルスペック、そして1型式ですがライトまで幅広くリリースされているわけですが、ホールの中心軸と期待されるハイスペック機は、言わば“三共チャレンジ”のこの2か月だったかなと。

このあたりの展開力はさすがリーディングカンパニー。

しかしながらそれぞれの稼働状況はと申しますとホール側の〝399アレルギー〟を刺激してしまった感は否めない。

なんとか面目を保っていると言えそうなのが牙狼と女神のカフェテラス、一騎当千のデカヘソ2機種ですが、ここ数年、稼働結果はその各ホールの状況によるところが大きく、機械力に頼った集客、増客はなかなか見込めず専ら店内移動というのが現状。

乃木坂46、ブルーロックあたりには新規訴求を期待してはいたものの…

思うのです。

個人的にパリピ孔明はたまたま全編アニメ視聴をしていたので切り取ったリーチ場面は理解できます。

東京リベンジャーズは全編4回視聴していますので理解できます。

しかしながら女神のカフェテラスやブルーロック、もののがたり等々、観たことが無いアニメ版権はサッパリ(汗。

ショールームで一生懸命プレゼンされても試打してみても (* ̄- ̄)ふ~ん ってなものです。

T-Ver、ABEMA、Netflix、U-NEXT 等々、視聴しようとすれば事前に学習可能な時代ですが、若い方々ならいざ知らずロートルパチンコユーザーにそんな奇特な方は稀有。

遊技してから興味がわいて視聴するというケースもあるでしょうが、であるならば、せっかく取った版権。通常の数字揃えの演出とは別にアニメ全編を視聴できるモードを搭載ってのはいかがでしょう。

「パチンコは目の前で数字が揃って当たり」という固定観念を捨て、通常遊技時は「今日は第何話まで観たから今度は続きを…」という遊技思考へ振り切るなんてね。

アニメが流れる中でリーチが急にカットインしてきて外れたら続きから観られ、当たったら作中楽曲や右打ち専用の新たな演出で遊技とか。

左打ちに戻ったらまた続きから。

沖縄6のイヤホン遊技を体感しましたが没入感はかなりのもの。

これにデカヘソと「premium」の無いアニメ視聴やミュージシャンのライブ視聴等が合わされば面白そうな遊技体験の場を提供ができるのではなかろうかと、ブルーロックを打っていて思った次第。ウルトラマンは観ていてもウルトラマンティガは観ていませんし(汗

閑話休題。

さて、〝399アレルギー〟が出始めていると思しきLT3.0+。出玉感もさることながらコンプリート率の高さに日々の営業に怯える管理者は多数。

1日、1週、1か月スパンではとてもじゃないが数字は整いません。

支援先にはせめて3か月スパンでの管理・運用をと理解を求めているわけですが、年末に控えるe 北斗の拳 11 暴凶星 SHEA@サミー とe 新世紀エヴァンゲリオン 17 はじまりの記憶 R@ビスティ共に25000台(以上?)の販売計画にして平均TY/5800発以上のツワモノでございます。

平均TYが大きく、且つ、エヴァはST回数も多いので持ち玉遊技比率が上がり稼働を支えるという図式。

エヴァは特図1のハズレ300発にも時短を100回付加しているので仕様の狙いはこのあたりか。

暴凶星は前作踏襲のショートST。

軍配はどちらに?というよりも、兎にも角にもこの2機種がLT3.0+を牽引しスマパチ島の核になってもらわないと話が始まらない。

2025年9月現在のスマパチユニット保有店舗数は4800軒ほど。

1軒あたり平均70台程度の保有状況とみておりますが、ブルーロック、牙狼、東リベ、リゼロ2、グール、からくり2、炎炎2、番長といったところでスマパチ島の70%以上を構成している状況。

現状からユニットを増やす事無く、また、現有主軸機種を入れ替える事無くエヴァ17&暴凶星を導入するとなると1軒あたり15~20台が入れ替え可能台数。

エヴァ17&暴凶星で50000台程度の販売計画ですから、一応、受け入れ準備はできる配置。

2023年P暴凶星の初期導入店舗数は4000軒余で、1軒平均4台+α。

その後100軒ほどが後追い導入し、導入店ピークから500軒ほど減らしてe暴凶星のリリースを迎えることに。

Pシン・エヴァンゲリオンの初期導入店舗数は4700軒余で、1軒平均12台+α。

その後700軒余に中古流通の恩恵を与え、導入店ピークから300軒ほど減らしたところでeエヴァのリリースへ。

稼働状況については、暴凶星は“後ジワ”で、この仕様にして海物語系の様な稼働推移。シン・エヴァはこの台数とエヴァ15の狭間にして良く“粘投”しているとの個人的な印象。

利益・稼働貢献ではP暴凶星が上位ですが、共に1/4島を日々支えてくれてイマココ。

エヴァ15 が認定機となってもまだまだ貢献が見込める中、また、正直ここのところのサミー製パチンコ機の覚束なさとも相まって本音は共に悩ましいと思えてしまうこの年末商戦でございます(汗。

この2機種の稼働結果次第では、来年以降の遊技機開発が迷走し始めると思えるだけにホール側も慎重に丁寧に提供していかないと…。

スマパチユニット導入店舗数がこの2機種で増えていくのか?も見どころですが、以前にも書きましたが、各メーカーのメイン機種は今後もスマパチでの投入が続くわけでして、ユニット増設の流れが止められないのは明白。

サバイバルはまだまだ続いてまいります。

悩ましいといえば回胴も。

表示が動かない液晶AT機を拝見した時の衝撃が未だに尾を引いている今日この頃…。

12月後半予定でサミーさんと大都さんの機械が販売予定に入ってくれて少しばかり胸を撫でおろしつつキーボードを叩いているわけですが、‘ミミズ騒動’が落ち着いた割には適合率が上がってきません(汗。

パチンコ機に関しては総量上限狙いすぎ問題で適合率が上がらないのは織り込み済みですが、回胴はBT機の適合も遅々として…。

エヴァ、アレックス、クレアとユーザーリアクションの高い機械が続いているだけに今後もBT機には期待しております。

さて、本年も残すところ3か月。鈍化傾向は伺えるものの年末までに昨年末比でおよそ100軒程度の減少となるでしょうか。

販売台数も適合率問題はありますが昨年より減少は否めないところ。

機械単価はいよいよ税込み65万円時代へ突入と、来年へ向けてあまり良いお話は見えてこないわけですが、なんとかサバイバルに生き残りたいと渇望しつつ本稿は了とさせていただきます。