月刊シークエンス7月号 業界羅針盤 より

「さて、始まったわけだが」

まだ6月というのに連日気温30度を超え、8月あたりの気候はどーなってしまうのかと憂鬱な日々を送りつつ入力中の石川です。

さて、BT機の稼働が始まりました。本稿を目にする頃にはLT3.0+の稼働も始まる頃合いと思いますが、時同じくしてBT機第二陣も市場投入開始となります。

第1陣の5型式にて2万台を上回る販売予定としていたものの、およそ一万台余の導入に留まる結果に。

第二陣のLB AREX BRIGHT BA、LB エヴァンゲリオン sR は共に販売目標を達成したとの事ですので(LB TC-トリプルクラウン-SF 4に関しては未確認)
7月時点でおよそ2万5千台のBT機が流通し、
9月までに納品予定のLB マタドールⅢ TT、LB /クレアの秘宝伝 BT VER./ A2を合わせこの時点で10機種3万5千台のBT機市場。

回胴式が現状124万台として2年後を目標とした“BT10”への道のりはいかばかりか。

さて、第1陣の初動はと申しますと、個人的には思っていた以上にユーザーが回してくれたなと喜んでおります。

新レギュレーションですから過去機との比較は難しいところですが、2020年から2025年までに導入されたジャグラー以外のノーマルAタイプの、
初週と2週目におけるOUTの下降率を下回ったものが2機種あり、
その内の1機種であるLB翔べ!ハーレムエースCFに於いてはジャグラーシリーズの平均下降率を下回り、
稼働3週目に早々と追加受注受付開始となったのは良い流れ。

5打数2安打の打率4割で2塁台1本なら上等のデビュー戦。

とは言え、導入開始から利率の高目の運用となっている点は気がかりなところ。

どんなスランプグラフになるか運用しながらの手探り感と4段階設定が要因と見ておりますが、シミュレーション問題も解決したとの事ですし、
エヴァ、クレアと6段階設定機種も登場してきますし、運用経験値の積み重ねと共にフィットしてくるのかなと。

第1陣の中で3400軒余と最多設置店舗数となったLBニューパルサーBTC9にも触れておきます。
およそ7500台と販売台数でも昨今では上位。

売れた理由には色々とあるわけですが…「ニューパルサー」は4号機時代、およそ23万台がホールに設置され
“BT10”どころか当時のシェア30%超を1機種で担った名機種の冠にして山佐の屋台骨シリーズ機である事はお読みの方々も御存じの所。

蛙君とはワシも長い御付き合いであります。

BT蛙君の場合リール配列は変わりましたが‘山佐パターン’も‘ゲチェナ’も健在。

ただ、新筐体ならではの演出や、やたらと告知が増えたため太鼓の達人以上の騒がしさ(笑。
リーチ目を楽しむというよりも北斗じゃないのにチェリー待ち機種となった印象。

出足のOUTは2017年登場のニューパルサーSP2/DDと近しい動き。

SP2は、というよりニューパルシリーズは初動に派手さは無いものの、下げ止まってから息の長い稼働の機械という印象があります。

一定のファン層があると言えるのかなと。

BT蛙君もそうであって欲しい(願。仕様的な特徴はBT機ならではのBBとRBが50/50のイーブン比。

これは設定不問でBIGへ偏れば勝ち率が上がりRBへ偏れば右肩下がりのスランプグラフに。

今後も様々な仕様の機種が出てくると思いますが、BTを上位BBとしたハーレムの稼働が今後も堅調に推移し、同様にBTを上位BBとしているエヴァの稼働次第ではBT上位BBタイプが当面の主流の仕様になろうかと見ておりますが、BT市場が停滞したら2.0からの3.0+みたいになったりして(妄想。

さて、そのLT3.0+。

稼働開始前での入稿となるのですが…

どーですか?

7月登場のスマパチLT機は8型式。

LT初期やBT機とは趣を変え、初遊技機化版権である東京リベンジャーズを筆頭に、炎炎ノ消防隊 2、マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝を中心に、デカヘソも数型式加えてとなかなかの興味深いラインナップでのスタートです。

8月第二陣には8型式+好調東京喰種の再販が控え、7,8月での販売目標はスマパチだけで20万台に迫る勢い(汗。

2カ月間で20万台予定は市場に期待し過ぎと感じるのはワシだけでしょうか(滝汗。

6月末時点で全国76%(約4500軒)程のスマパチユニット保有状況。

また、2024年以降、新台パチンコ機最大購買店舗力は70%(約4000軒)程度と、回胴に比べパチンコ機に対しては若干冷ややかなのが市場概況。

7月以降、どの程度ユニット導入が進むかには注視しておりますが、まぁ、計画未達機種が大半と言う結果はメーカーさん御理解ください。

LT3.0+となり、平均TY5000発超えの重量級仕様とは裏腹に、初当りまでの投資金額が2万円という仕様が続々と登場してくるわけでして、
この点は危惧するところ。

そういう意味でも8月のLT祭りの中で陰ながら期待せずにはいられないのが幾度と触れていますが豊丸の超甘LT。

爪痕残して欲しいのですが、予算的にそこまで手を回せるホールが何軒あるやら…(悲。

新台で出率を上げた営業から遠のいて幾歳。

最近“勝ち率”という単語をよく目にしますが、報酬予測をするには自身で勝ち経験を積むか、目の当たりにするかが無いと成立しません。

この報酬予測に良い方向性の誤差が生じるとドーパミンが分泌されKIBUN PACHI-PACHI に。

一時期、公立諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授と数メーカーさんへお邪魔し脳科学を切り口とした講演のお供をさせて頂いておりましたが、特に若い開発現場の方は脳科学へ興味を持って頂きたいと思います。

前号でも記しましたが、新規の開拓以上に顧客の来店回数向上を目指すのがネット空間に居を構えられないパチンコ店の生きる道と信じております。

LT3.0+はLT突入率の敷居が下がっていますので、より多くのLT体験者が生まれ、
出玉と共に機械の魅力で「また来て遊技したい」となってくれる事を切に願いつつ本稿は了と致します。