『BT機はじまるよー ~覧古考新~』
東京の桜開花日までカウントダウンの今日この頃、日中の気温が20°を超え、膝と腰の痛みが和らいで少し嬉しい石川です。
さて、2月にBT(ボーナストリガー)機について日工組、日電協からアナウンスがありました。
「BT機のポジショニング、開発意図としては、AT機(MY3,000枚)とノーマル機(MY1,500枚)の中間地点を目指したのがBT機(MY2,000枚)であり、AT機ほどの大きな出玉を狙うわけではないが、バランスのとれた満足度の高い遊技体験を提供することが可能で、出玉だけでなく演出面においても新たな魅力を体感できるものになっている」とし、「擬似ボーナスではなく、リアルボーナスが連続するBT機が幅広いニーズに応え、業界成長に大きく寄与する」との事。
想定仕様5種類に関しては本紙にお任せして割愛。
先陣を切るのは本稿入稿時点では、LB 1000ちゃん アルファ L3@オーイズミラボ、LB プレミアムうまい棒 S1@オリンピアエステート、LB 翔べ!ハーレムエース CF@カルミナ、LB ニューパルサー BT@山佐、LBジャックポット@ヤーマの5機種。
加えて既適合が2機種待機中。
他にも続々と持ち込まれているわけですが、L BT機の市場投入開始と初夏以降投入が予想されるビッグネームAT機で年内にもスマスロのシェアは60%を超えてきそうですね。
このスマスロ。LバキL3 以降の88機種における‘L AT機’の平均のコイン単価は3.5円ほど。
そして市場占有率およそ25%のジャグラーシリーズのコイン単価は1.9円ほど。
技術介入系以外のリアルボーナス機ではニューパルサーシリーズが2.1円程度の運用実績。BT機第1陣の各機種のコイン単価は2.4円~2.6円程度との事ですのでアナウンス通りの中間バランス帯の位置付けとなりそうです。
6.5号機以降市場投入された機種の中で先ずこの「コイン単価」からのイメージとしてはSキャッツアイH6(A-AT)、Sパチスロ鉄拳5DC(A-AT)、SパチスロスーパーリオエースCC(AT)、Sダンまち外伝XR(AT)、L麻雀格闘倶楽部覚醒KM(AT)、S ガメラ2 XR(AT)、Lストライク・ザ・ブラッドZC(A-AT)、Lストリートファイター5ZD(AT)、といったところが2.4~2.6円の運用実績に。
また、公表されたMY値からの比較ではL A-SLOT+ このすば FX(A-AT)、Lストリートファイター5ZD(AT)、L ストライク・ザ・ブラッド ZC(A-AT)、L マジカルハロウィン 8 FE(A-ART)、S エウレカセブンHIEVO XS(A-ART)、S 戦国†恋姫 FC(AT)、S 盾の勇者の成り上がり KS(AT)、S モモキュンソード DX(AT)といったあたりがMY2000枚の遊技機射幸性としてはイメージできるのかなと。
ピックアップした機種の中に大ヒット機種が含まれていないのはちと寂しいところですが、リアルボーナス搭載仕様が多く含まれている事と安定稼働を維持した機種はあるという点は事前準備として抑えておきたいところ。
既存機種でリアルボーナス機種の軸であるジャグラーシリーズではアイムジャグラー以外の獲得枚数は240枚。
対してLBパチスロ1000ちゃんAは179枚と99枚+BTの2種類のリアルボーナスを搭載し、BT時75%ループの獲得期待枚数は536.2枚。
BT特化型で5号機以降には無いゲーム性。LB 翔べ!ハーレムエース CFは239枚と279枚+BTの2種類のリアルボーナスを搭載し、BT時の獲得期待枚数は515枚。
この2種類のリアルボーナス搭載系は5号機の新世紀エヴァンゲリオン・まごころを、君にGをイメージしてもらえればホールもユーザーも取っつきやすい感じ。
LB ニューパルサー BT はBB+BTで309枚以上を獲得可能。
LB プレミアムうまい棒S1はBT+BBセットでトータル301枚の獲得枚数となり趣はA-300。
稀に476枚獲得できる可能性もあるという点は御愛嬌として、個人的には初号機という点ではうまい棒とニューパルサーの潔さは好感が持てました。
1回のBTで1000枚を超えてはならないとの事ですがAT機でも純Aタイプでもない新たなゲーム性に期待したいところ。
ではあるのですが、先陣を切る5機種で“ひと川・ひと島”を構成するには少々物足りなさを感じているのも正直なところ。
新奇性、話題性でアクションを起こすとするならば、パチンコのLT機市場投入時と同様少台数でも全機種並べて訴求を図るというのは一手、と考えなくもないのですが、同時期に初動するL デビルメイクライ 5 ST XA、L /いざ!番長/SB8、L /ギルティクラウン 2/XFといった機種の購入予算を削って…とか、更に上乗せして…となると些か腰が引けてしまう(汗。
パチンコ機のラッキートリガー市場投入時は7機種同時で、また、当時のGW商戦へ向けたパチンコ機のリリース状況は手薄な新機種群でしたし、既に突破型上位突入仕様の多数の前例機種の存在でホールはもちろん遊技者側の理解も早く、相次ぐ“コンプリート報告”と相まって空気感的にアピールし易かったというのもあります。
あの時に比べBT機におけるアピール・訴求を「誰に向けて」が現場サイドで明確に落とし込めずに悩ましいというのを今回は感じます。
例えばBT先発機種の設定6の出率や設定1の合算確率がジャグラー系と大差が無いというのも、新奇性はわかっているものの前のめりになれない現場感ではなかろうかなと。
加えてBTの確率が1/800とか1/1500というところも「誰に向けて」を一層悩ましくしているのかなと。
しかしながら、出率等々ジャグラー系と大差が無いと申しましたが
「既存Aタイプと変わらない遊技感覚でそれ以上の獲得枚数を期待できるのがBT機です!閉店間際でも期待枚数500枚!」
とも言えますから前向きに参りましょう(笑。
うまい棒以外はBT終了後即ヤメといった遊技傾向も予見はできますが、使うとなれば取っ掛かりとしては即ヤメ上等で短時間ライトユーザーを中心に浸透を図る事になるのかな?と思っております。
前述のコイン単価、MY値の近似機種を遊技していたユーザー層もターゲットと捉えても面白いですし、機種配置もBT機で固めるもよし、コイン単価やMY値の近い機種群へ紛れさせるもよしとも思います。
ジャグラー系やハナハナ系を使い慣れた法人さんはユーザーが打ち慣れるまで、馴染むまでの‘我慢’を心得ていると思いますので運用に期待しております!
今後のBT機には技術介入を伴うものや新規版権、懐かしの復刻版等々が準備中と漏れ伝わってきておりますし、一先ず全メーカーのBT初号機が出揃って、各社が2順目に入ったあたりからが本番といったところでしょうか。
回胴島に新風が吹き込む事となるのは間違いないですし喜ばしい事。今後のBT機の定着と遊技性の広がりを楽しみにしつつ本稿は了とさせて頂きます。