月刊シークエンス新年号「2025年業界羅針盤」掲載記事

明けましておめでとうございます!拙い文章力ではありますが本年も宜しくお付き合い頂ければ幸いです。

2023年12月末から2024年12月半ばまでにP-WORLDから姿を消したホール数は325。
2022年末から2023年末の期間にP-WORLDから姿を消したホール数は465でしたからホール数減少が多少鈍化したとも見ることのできる昨年でした。

最多減少地区は大阪府。次いで神奈川県、東京都と大都市圏での減少が目立ちます。

減る事が無かったのは青森県、富山県、奈良県。3県に共通するのはダイナム、マルハンの店舗数占有率が18%以上で(富山県は40%超)
11.2割分伎営業地域とスロット専門店が無いという点。

大阪、神奈川、東京は逆にダイナム、マルハンの占有率は低く、また、小規模店舗が多いのは御存じの通り。
大都市圏はテナントも多いため減少傾向はまだ続きそうです。

店舗の減少に歩調を合わせる様に機械の方も2023-2024年前年比ではパチンコ機、回胴式共に減少。
しかしながら産業規模という視点からは設備関連が牽引する形で一応の好況継続中。

スマスロでは90%を超えるホールにL パチスロ北斗の拳AD XR@サミーが導入されているわけですから然もありなん。

今後はスマスロ島内の入れ替えに留まらず6号機の検定切れ、認定切れのタイミングや低貸し島でのスマスロユニットへの切り替えが進んで行く事に。

ジャグラー系以外はオールスマスロという営業形態が視野に入り出すのが本年以降となりそうです。

スマパチはe北斗の拳10GHEG@サミーの市場投入によりユニット導入率は75%超えとなったわけですが、
当面はスマパチ島内での入替が中心となり新たなユニット需要は見込めない… と思っていたところにスマパチの内規に関する申し合わせ事項の変更という一報。

内容に関しては月刊シークエンス購読層には釈迦に説法ですので省略しますが、個人的には‘エグっ!!’というくらいのファーストインパクト。

7月からの市場投入という事ですが、昨年、多くのメーカーさんが所謂【デカヘソ】の呼称に関する商標出願をしていましたので、
スマパチLT3.0+デカヘソ機種がパチンコ島の救世主となり本格的なスマート化へ歩を進め出す2025年と新年の妄想を。

加えて“設定格差”搭載機種やBluetooth対応機種も市場にお目見えする可能性も。

スマート化が進むことでホールオペレーションも省力化できるわけですから少子高齢化、働き方改革の現代日本ぱちんこ業界にとっては未来へ向けた設備投資も痛し痒しといったところ。

適合への道のりはかなり険しいと伺っておりますが、BT機(ボーナストリガー)がどの様な仕様&遊技フローで市場投入されるのかも本年の楽しみの一つ。

ジャグラー系+BT機+AT機と遊技選択ヴァリエーションが広がる事は一つの打開策に成り得るというのはLT機市場投入以降を眺めた個人的な肌感覚。

遊技機に関しては本年も楽しみ多き1年と見ております。

1/199帯の活性化と遊技者側の認知も広がり、正月明けから導入される機種は1/99数機種と冬ソナ、Pダンまち2以外は全てLT搭載機種。

スマパチLT3.0登場でこの流れは加速する2025年かなと。とは言え、先を見据えるには反省、学習は重要。

2024年に初期ロット4000軒以上に導入された機種はパチンコではPフィーバーマクロスフロンティア5W、P北斗の拳強敵SSPA、e北斗の拳10GHEG、Pフィーバー機動戦士ガンダムユニコーン2 S、P真・花の慶次3N-Kの5機種。

回胴式ではL戦姫絶唱シンフォギア 正義の歌jA、L押忍!番長4 A3、L Re:ゼロから始める異世界生活 season2PA5、L吉宗ライジングSA2、L スマスロ真北斗無双 FS、Lガールズ&パンツァー最終章H1、L エウレカセブン4 HIEVO KX、L コードギアス復活のルルーシュ ZS、LパチスロゴッドイーターリザレクションSLED、LモンスターハンターライズXAの10機種。

2023年ではパチンコ機14機種、回胴式17機種でしたからやはり購買力の低下が見て取れます。

上記機種のうち初動時に1軒あたりの平均導入台数が最も多かったのはパチンコ機ではe北斗の拳10GHEG、回胴式ではL Re:ゼロから始める異世界生活 season2PA5。

初動時に市場70%以上のホールへ導入される事が見込まれる機種の中古売却はそれに相応しい稼働状況となった時以外は期待薄になります(安価流通となれば中古購入待機組およそ500軒程度は速攻で挙手するのですが…)。

期待通りの稼働はゴッドイーター( “最強の法則” 昨年唯一の12点満点!)とモンハンライズ( “最強の法則” 11点!)くらいでしたね。

ちなみに昨年、初期導入店舗数における中央値(安定的新機種購入店舗層)はアッパーミドル(分母1/200~の主力機)では2500軒程度、回胴式では2800軒程。

2023年では共に3000軒程でしたからここでも購買力の低下が見て取れます。

この流れが続くのかLT3.0やBT機の投入で踏み止まるのか?注視したいと思います。

昨年、移動・中古機等で最も流通した機種はパチンコ機ではPフィーバー機動戦士ガンダムユニコーン2 S、回胴式ではL押忍!番長4 A3。

いわゆる機歴への対応も諸々変わっていきそうな雰囲気。

昨年度におけるメーカー毎の販売台数はパチンコ機では1位三共グループ、2位サミーグループ。
回胴式では1位三共グループ、2位大都グループ。

年始の御挨拶がてらにと2023年から2024年にかけての2年間、各メーカーから市場投入された1/130以上の分母を持つ各機種の稼働10週時での平均個体償却率(定価・等価ベース)と稼働2週時と8週時におけるOUTの平均下降率を表出してみたところ…

ワーストはさすがにこちらへは書けませんので自社サイトに展開する事として、こちらには好成績メーカーの方を。

パチンコ機では10週償却率1位は京楽.グループ機(10機種平均)。
2位は藤商事グループ機(15機種平均)。

2週⇒8週経過OUT下降率の低いメーカーは1位藤商事グループ機(15機種平均)。
2位は京楽.グループ機(10機種平均)。

回胴式では10週償却率1位は三共グループ機(6機種平均)。
2位はコナミアミューズメントグループ機(9機種平均)。

2週⇒8週OUT下降率の低いメーカーは1位が山佐グループ機(9機種平均)。
2位は平和オリンピアグループ機(7機種平均)でした。
ご参考まで。

本年中に市場投入されそうな新規版権としてはブルーロック、東京リベンジャーズが筆頭でしょうか。

シリーズとしては北斗・転生、ネオアイムジャグラーが中心になりそうです。

2023年以降、適合率がなかなか上がらないのがその理由なのか部材調整を遠因とするものなのか分かりませんが、とにかく各社の機械受注が早くなってきている印象。

‘45日ルール’などと呼んでいたものも今は昔、某社あたりは未納品機種が数機種あるにもかかわらずその先の機械のリリースのお知らせをブチ込んでくるのですから現場は大変。

この傾向も続きそうですね(汗。

継続する設備投資が見えている以上各メーカーの償却率等も頭の片隅に置いて慎重な機種選定をしていきたいものです。

中小・個店ほど『被害は最小!』を合言葉にて参りましょう!

社会情勢としては「年収の壁」の成り行きも実質賃金の増加等々を踏まえれば余暇産業的には気になるところ。
物価の上昇で余暇産業までお鉢が回るかは何とも言えませんが景気上昇へ繋がればその内には…

LT3.0の市場投入開始である7月には業界注目事案である参議院選挙も。

この辺りの事は間違いなく忙しくなる岡崎編集長にお任せするとしても「2025年 気になる7月」とインプットしております。

さて、乙巳2025年はどんな1年になりますでしょうか。
「乙巳(きのとみ)」はこれまでの努力や準備が実を結び始める時期を示唆しているのだとか。

皆様にとって良い1年になり‘気になる7月’が竜頭蛇尾にならん事を祈念しつつ本稿は了とさせていただきます。