11月後半から冬らしい気候となり、街にはクリスマスの装飾が多く見かけられ年の瀬へ向かう空気を感じる今日この頃。
本稿は12月号ということで2024年をワシなりに振り返ってみようと思います。
2023年末から現在(11月21日)までにP-WORLD上ではおよそ5%のホール数が減少しました(2022年末からは11.5%の減少)。
この市場状況の中、2024年内に市場投入されるパチンコ機の型式数はPB機を除いて130型式余。
本年の最多販売台数はe北斗の拳10GHEG@サミー。初動導入店舗数が最も多かったのはPフィーバーマクロスフロンティア5W@三共。
2023年内では117型式ですから適合率の低い中昨年以上の供給数と額面からは見て取れますが、スマパチの市場投入開始によりP&eの1機種2型式を含んでの数字ですからまぁ前年並みの供給型式数かと。
しかしながら販売台数となると2023年が96万台余に対し2024年は12月販売の機種が“全て販売予定台数を達成”しても80万台程度に留まり購入控えが顕著な1年になりそう(11月25日入稿ですのでこの表現にて)。
昨年も今年も各メーカーの目論見である各機種における「販売予定台数」の総数には大きな差異は見られませんので、メーカー目線で言えばパチンコ機に関しては少々厳しい1年だったのかなと。
特に某社は1型式100台程度の販売となってしまった型式が2つも… 厳しかったパチンコ機販売の象徴ですな。
象徴的と言えば、昨年のPB機は2型式だったのに対し本年は6型式と過去最高型式数。このあたりの動向は来年以降見逃せない点かなと。
販売状況における昨年との比較を1/128以下と1/130以上に分けて見ると1/128以下はおよそ20%減少、1/130以上ではおよそ27%の減少となっています。
こんな流れの中でも全てのメーカーが販売台数を減らしているわけでは無く、投入型式数が前年より増え、自社のキラーコンテンツを擦り倒して前年を上回ったメーカーもあれば、新規版権の投入で踏み止まったメーカーもあれば、LTとスマパチの流れをいち早く掴んで市場投入し前年を上回ったメーカーもあります。
このLT搭載機。3月の初登場の際にはホール側には疑心暗鬼な部分も多々あったと記憶しておりますが、11月末段階で市場投入されたLT搭載機は39型式となり遊技者側の認知も着々と進んできていると思える状況。
9カ月を経過したこの年末には、投入14型式のうち11機種がLT搭載機。
当コラムで幾度も「LT機じゃなければ買わない」が言霊となった本年かなと(笑。
次の展開はスマパチLT機の「2400発&80%継続」を中心に市場形成が始まるわけですが、本年の注目時事といえば昨年11月から導入されたe Re:ゼロから始める異世界生活season2M13の4月再販納品分~差額補償付き~分割10回払いの件。
喧々囂々とは言えキレイに完売(苦笑。season2以降11月末までに市場投入されたアッパーミドル(1/230~1/399)のパチンコ機は49型式(そのうちスマパチ11型式)。台数にしておよそ43万台が立ち向かったワケですがアッパーミドル勢のリゼロ超えならず…というのも2024年の状況(苦笑。
e北斗の拳10GHEGの市場投入でスマパチユニット保有店舗数は70%を超えスマパチの導入環境も少なからず進捗を見せている中、入稿時点で導入53週稼働貢献継続中の機械にせめて肩を並べるスマパチの登場を心よりお待ち申し上げております。
が、SIS上では本年10月は偶数月&連休もあったにも関わらずOUTはコロナ禍を除いて過去最低だったとか…
この10月に導入された機種はLT搭載1/99が1機種と1/199が1機種で4機種がLT非搭載1/99であり、アッパーミドルの2機種はLT非搭載で新機種の層も薄かったという遠因がありとても、やはり厳しい状況はしばらく続きそうです。
さて、回胴式遊技機市場はこの1年どんな塩梅だったのか。
PB機を除き、30π機を含め80型式余が市場投入されました。このうち‘S型式’は21型式。昨年は70型式の内‘S型式’が40型式ありましたから一気にスマパチ化が進んだといえる1年です。
最多初期販売台数はL Re:ゼロから始める異世界生活 season2PA5@大都。(再販分を含めると押忍!番長4が本年の最多販売台数)
初動導入店舗数が最も多かったのはL戦姫絶唱シンフォギア 正義の歌jA@三共。
昨年が回胴全体で75万台余の販売台数だったのに対し12月販売の機種が“全て販売予定台数を達成”してもこちらも前年から販売台数を減らす事に。
昨年にはモンスター北斗の拳を筆頭にスマスロムーヴメントが販売台数を押し上げたわけですが、“新機種初期ロット”という括りであれば前年比微減。
また、昨年も今年も各メーカーの目論見である各機種における「販売予定台数」の総数には大きな差異は見られませんので回胴は全体像としては販売数が減少しつつも概ね計画通りといったところかなと。
本年の販売台数はリリース数に比例してメーカー毎の販売台数が伸びる傾向が見て取れますので(≒ホール側の回胴機需要が高い)、適合率の低さに泣かされたとも思える本年のメーカー傾向だったのかなと。
販売型式数は前年と変わらずに販売台数が減少しているのですから1型式あたりの購入台数が減少しているという事。
昨年初期ロットで1軒あたり10台以上導入された機種はパチンコ機3機種に対し本年は1機種のみ。
昨年回胴式の初期ロット10台以上導入機種は3機種に対し本年ではテスト導入を除くとこちらも1機種のみ。
中古機の証紙発給枚数が前年比でどうなるかですが、旗艦店中心にある程度の台数を導入してからチェーン店への移動という流れや、各店多機種少台数の導入といった傾向も昨年同様の流れ。
新機種の多機種少台数導入や少台数中古移動が常態化すると言う事は販社さんの疲弊は今後も続いていくと言う事に。
メーカーは販売計画で四苦八苦、販社さんは人員管理で四苦八苦、ホールは利益確保で四苦八苦… 遊技機性能の向上に一縷の望みといったところでしょうか…
昨年来、再販・増産が多くなってきているのも回胴の傾向。
穿った見方をすれば「再販分を餌に…」「新機種スロットを餌に…」が極まったといったところ。
全日からの‘販売方法の実態調査’の回数が多く感じられたこの1年でしたね(苦笑。
昨年来のスマスロムーヴメントと広告宣伝ガイドラインからの‘来店演者バブル’で回胴遊技機へのシフトが更に加速したというのも今年の傾向。
パチンコだとどうしても“調整示唆”に成り兼ねないので回胴中心の営業展開となるのは至極当然。
ただ、中には来店アリでもナシでもガイドライン違反のホールを多々見かける様になったのも本年では。
老婆心ながら心配して見ております。
このテの営業は諸刃の剣。
現在P-WORLD上で4000軒以上に設置されている回胴式遊技機は27機種。
この27機種が言わば回胴島の主軸機種と言えるかと。この主軸機種の本年1月から11月中旬までの期間における運用利率は平均11.76%(等価ベース)。
ジャグラー系を除く22機種での運用利率は平均11%(等価ベース)。
ワシのところで今年から【機種選定 最強の法則】というものを発信しております。
こいつは主観を一切取り払い、パチンコ機10項目、回胴式12項目のメーカーから伝えられた数値のみ(基本設計値)での機種評価。
本年の回胴で12項目全てクリアしたのは1機種のみ(パチンコ機ではアッパーミドルで1型式、1/199LT機で3型式)。
もちろん回胴式主軸27機種に名を連ねているわけですが、パチンコ機にしろ回胴式にしろこんな機械は年間にあっても1,2機種。
回胴式は盛況とは言え安定利益の確保を委ねる事の難しい状況で、且つ、イベントチックな営業を織り交ぜてとなると、LT搭載機の爆発力を日々体感しているホール現場的にはそりゃぁパチンコ島への皺寄せは大きくなりますよね~ 回せなくなるよね~ というのが還暦爺の本年の総括でございます。
LT機能といわゆるデカヘソの妙味とスマパチのいわゆる緩和措置で各社からe型式を中心としたリリース展開が予想される来年度。
加えて設定格差がどういった形で表現されるのか?!
回胴の本年はカバネリをオマージュしたST系が多くリリースされましたが新たなインパクトをもたらす仕様が登場するのか?!
PB機の動向を注視しながら年の瀬を迎えようと思いつつ本稿は了とさせて頂きます。
本年も拙い文章力に御付き合い頂き誠にありがとうございます。何かと気ぜわしい日々かと存じますがどうぞ健やかにお過ごしください。